若者は“努力アピール”をしがち?隠すのが美徳?世代間ギャップの背景を識者に聞く
海外では「努力」とどう向き合っているのか?
ちなみに海外では日本と異なる空気感が醸成されているようだ。金間氏は「これは主に米国の傾向となりますが、むしろ日本とは逆で、努力を隠すようなことはしません」と話す。
「ただ、“努力を積極的にアピールする”というのとは少し違います。目標に向かって努力するのは当たり前で、『当たり前をやっている人、特に子供はちゃんと認めよう』という空気感ですね。また、『リスクをとった行動を認める』という印象もあります。
また、『人にはさまざまな欲求があり、それを満たすために努力する』と考えもあるので、その行為を隠したりアピールしたりするという考えは強くありません」
「(笑)」をつけておけば大丈夫?
現在の若者は、ひと昔前と比べて努力をアピールする傾向が強いのか。
「彼らはあくまで事実を答えているだけです。仮にアピールしているように聞こえるとしたら、それは聞く側に“努力は隠すもの”という認知バイアスが働いているからでしょう。
難しい表現にはなりますが、今の若者は頑張るとか努力するという行為が、他人にどう受け取られるかをとても気にしがち。そのため、努力したことを隠したり控えめに言ったりする行為に対して、『何嘘ついてんの?』『カッコつけんなよ』と思われることに強い恐怖を感じてしまいます。
ですので、素直に頑張った際には『はい、めちゃ頑張りました(笑)』というわけです。ポイントは、(笑)をつけていることです。これがないと、本当にまさに“頑張っているアピール”になりかねません。あくまでも柔らかく『そうだね、今回はがんばったよ』というイメージで、自身がやったことをマイルドにしつつも素直に伝えているのではないでしょうか」