京大卒CEO弁護士が「死ぬほど仕事して」気づいた“固定観念の外し方”
インボイス制度のリスクとどう向き合うか?
――そのクリエイターには気が重いインボイス制度が2023年10月から始まりますが、どう思いますか?
山田:これ、いろんな人に聞かれます。まず、僕は制度としてイケてないと思っています。あんまり好きじゃない制度だなと。ただ一方で、過度に気にしなくていいんじゃないかなとも伝えています。ここはいろんな意見があると思うんですけど、「施行されてから考えたら?」って思うんですよ。「リスクがある」とか「なったらどうしよう」って考えている時間、無駄じゃないですか。その時間にひとつでも作品を作りましょう。
――確かに、インボイス制度に反対する議員に投票して、制度反対の署名して、やることをやったら後は心配しても無駄ですね。
山田:人間って死の恐怖を忘れるために「大丈夫だ」という証拠を集める生き物なんですよ。てことは、リスクがあることを聞いたら「今なんとか準備しなきゃいけない」って思ってしまうんです。
だから「インボイス制度が実際に導入されたらこうなるかもしれない」って考えてしまうんだけど、仮説に基づく空想上のリスクを今、対策するってめちゃめちゃコスパ悪いんです。実際に自分が困ってから対策してもなんとかなるよって思っています。極論ですけどね。
誰かいい方法を見つけてくれるはず
――でも確かに私の会社は外注スタッフが40名ほどいるので、彼らひとり一人が課税対象者かチェックして、個別に金額を変えるというのがすでに面倒くさいです。
山田:なるほど、インボイス制度にまじめに対応しようとしている企業はそうなりますよね。今から考えて「うわあ、面倒くせえなあ」って思い続けるのか、だれかがめっちゃきれいな回答を出してくれるまで待って「あ、これいいな、マネしよう」って思うか、どちらを選ぶかな気がします。
僕も業務委託の人にたくさんお願いしているんで、対策しなきゃいけないのかなあって思っていますけど「誰かいい方法を見つけてくれるでしょう」ぐらいの感覚で待っているんです。
――山田さん、ポジティブですよね。病気になっても回復が早いでしょう?
山田:弁護士は「こういうリスクがあるからこういうことをしましょう」って言わなきゃいけない立場です。それで昔はそれで思いつめちゃって体調をくずしていた時期もあります。でもいざ心配事を考えないようにしてみると、「案ずるよりも産むが易し」ってことがいっぱいあるんですよ。気づいてからは人生がめっちゃ楽だし、物事がうまくいくことが多いです。