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パナソニックの創業者もやっていた。単純作業で「自分の価値」を生み出すヒント

学び

世界の大富豪はお小遣いを渡さない

ジブン起業

ジブン起業的に考える「付加価値」

 たとえば、パナソニックの創業者で「経営の神様」ともいわれる松下幸之助もそのひとりです。

 松下幸之助は、自伝『私の行き方考え方:わが半生の記録』の中で、少年時代に自転車屋に丁稚奉公していた際に、自転車屋のお客さんからタバコのお使いを頼まれる際に「タバコをまとめ買い(当時はまとめ買いだと安く売ってくれる店があった)しておけば差額が儲かる」と気付いて、これを小遣いとして貯めたというエピソードがあります。

 また、世界の金融を牛耳っているといわれる(もちろんそんなワケありませんが)ロスチャイルド家では、子供にお小遣いを渡さないという伝説があります。かわりに子供にビジネスを教え、たとえば雄雌のモルモットやウサギを飼って、赤ちゃんが生まれるたびに関係会社に売って小遣いを稼がせるなどのビジネス実践教育を行っているといわれています。

やりたいことの実現が見えてくるはず

ジブン起業

『13歳からの経営の教科書』(KADOKAWA)

 これらの経営者たちは幼少期から、日々の生活を経営の勉強の場と考えて、ビジネスにおける付加価値の作り出し方を日常から学んでいきました。世界一の起業大国ともいわれるイスラエルでは、経営についての教育をおこなうアニメが放送されているほどです。

 このように、少なくとも自分は「自分の人生の経営者だ』という意識を持てば、誰でも今日からジブン起業が可能になります。そうすれば、やらされているだけだと思っていた仕事もひとつのチャンスだと捉え直すことができるかもしれません

 そして、その先に、社内での出世、会社の起業、自由な生き方、趣味、社会貢献など、自分がやりたいことの実現も見えてきます。やりたいことは人それぞれですが、そのそれぞれにおいて「ジブン起業」の「経営」が必須なのです。

<TEXT/慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵>

慶應義塾大学商学部准教授。平成元年佐賀県生まれ、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻博士課程修了、東京大学史上初の博士(経営学)を授与され、2021年より現職。第37回組織学会高宮賞著書部門、第22回日本生産管理学会賞理論書部門、第36回組織学会高宮賞論文部門受賞。近刊に『日本“式”経営の逆襲』(日本経済新聞出版) Twitter:@iwaoshumpei

13歳からの経営の教科書 「ビジネス」と「生き抜く力」を学べる青春物語

13歳からの経営の教科書 「ビジネス」と「生き抜く力」を学べる青春物語

“人は誰でも自分の人生を経営している。だから、すべての人にとって経営は必要不可欠”という強い思いから、中学生から社会人までが楽しめる物語形式で書き下ろされた、これからの時代に必要なビジネス素養が身に付く本

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