日本の4000万人は「お酒を飲まない人」。アサヒビールの新会社社長に聞いた
企業というよりNPOに近い
今後の事業展開も、スマートドリンキングが社会に定着するためのアイデアを出し続けることに尽きる。わかりやすく具体的ではないが、スマドリはアサヒビールと電通デジタルから事業委託費を得てスマートドリンキングのマーケティングを行うことに特化した企業であることが理由だ。
「果実はアサヒビールと電通デジタルが得ます。スマドリはノンアルコール、ローアルコールを広げることで社会がより良くなればと思っています。どちらかといえば、企業というよりNPOに近い立ち位置かもしれません」
また、スマドリのHPを開設してからは、コラボに関する問い合わせが多く寄せられている。企業や自治体、大学、お酒と関係がある団体などから、一緒に組んで何かできないか?といった話があるという。
目標はスマドリをなくすこと
マーケティング会社であるスマドリが、スマートドリンキングを社会に浸透させることができそうなことという観点から何ができるかを考えて提案。合意したことを実行に移していく。バーがオープンする日に新しく始めるコラボについて発表する予定だ。
「飲める人と飲めない人が一緒に楽しめる世界が日常に作れたら、スマドリという会社は存在しなくてもいい会社だと思っています。もしかしたら、目標はスマドリという会社をなくすことかもしれません」
スマドリの目標を問われてこう答えた梶浦氏。会社はスタートを切ったばかりだが、すでに終わりを見据えている。
<取材・文/大沢裕二 撮影/林絋輝(本誌)>