「コロナ倒産」が3500件突破。秋以降に倒産件数が“急増”する見通しも
2022年、倒産企業はさらに増えた
「ゼロゼロ融資」とは2020年3月から政府が始めた資金繰り支援策で、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減った企業に対して実質無担保・無利子で融資をするというもの。元金の支払いは最大5年間猶予されるが、実質無利子となるのは最大で3年間まで。
森氏によると、条件によってはこの元金据え置き期間が1~2年と設定されているケースがほとんどなのだそう。そのため、2021年秋以降から2022年にかけて返済の余裕がなくなった中小企業の倒産が増えてきているというのだ。
GoToキャンペーンがまもなく再開されようとも、このゼロゼロ融資の煽りを受ける企業は少なくないため、今年度中の倒産件数はさらに増加することが予想される。
体力のない中小企業が次々と…
ゼロゼロ融資に限らず、コロナによる売上減少を考慮し、政府はこの2年間で中小企業向け支援策もさまざまに講じてきた。2020年の持続化給付金のみならず、2022年には事業復活支援金も支給されている。とはいえ、今まで土俵際にいた企業も、ついに踏ん張りが利かない状況になりつつある。
「緊急事態宣言などが出れば営業や通常業務が難しくなる一方で給付金や支援金をもらえると思われがち。実際、緊急事態宣言などによる人の移動の抑制が倒産件数と大きく相関関係があります。
帝国データバンクが公表している新型コロナウイルス関連倒産のデータと政府のコロナ措置を比べると、倒産件数の増加ペースが早くなったのは2021年8月以降で、月平均で倒産件数が160件を超えていました。
この時期は東京五輪がありながらも2021年7月に2回目の緊急事態宣言が発令され、関東圏では9月まで緊急事態宣言が、11月まで蔓延防止法が出て、人の移動が大きく制限された時期。このことから体力のない中小企業の倒産件数が増加していったものと考えられます」