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スシロー「1皿100円」終了へ。38年間値上げせずにすんだワケ

ビジネス

安定して材料を仕入れるための施策もさまざま

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スマート養殖で育成した「愛媛県産AI桜鯛 」100円(税抜 2022年3月) くら寿司プレスリリースより

 くら寿司の危機意識は衛生面に留まりません。安定して材料を仕入れるため、

・自社で養殖から加工・販売まで行う「スマート養殖」
・定置網にかかった魚を年間契約で全量買い取る「一船買い」
・未成魚を寿司ネタサイズまで育て活用する「天然魚“魚育”プロジェクト」

 など数多くの危機対策を施しています。これらは、長期的には収益に結びつくものの、固定費の増加要因でもあります。固定費率が高いため、値上げによる売上・客数減少のリスクが高い。変動費率が低いため、値上げの緊急度は低い。スシローと対照的な利益構造が、値上げに対する意思決定を異なるものにしているのです

「ついに、100円皿がなくなってしまった」。消費者にとっては、実際の負担よりも心理的影響のほうが、大きいかもしれません。できれば、次の値上げは、しばらく先にしてほしい……。そう願うばかりです。

<TEXT/中小企業診断士 関谷信之>

ソフトウェア会社にて、プログラマー・生産管理・原価計算を担当(仕訳からセグメント別損益計算書作成まで一貫業務担当及び指導)。2003年、ウェブ制作者として独立(コンサル及びサイト構築)。2020年、中小企業診断士登録。Twitter:@kakanrilabo Website :経営管理研究所

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