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夢を語れない日本の若者が知るべき「現実の厳しさ」と可能性。異色の応援団が伝授

暮らし

最初の1人には心からのエールを送る

青空応援団

母校の仙台一高にて応援。小中高など、学校からの依頼は非常に多い

 その心の葛藤を乗り越えるには、それなりの時間がかかる。その時間は、待っている側は長く感じられても、葛藤している本人にはとても短い。

 どこの会場でも、待っていれば必ず手は挙がります。誰一人手を挙げなかった会場なんてこれまで一つもなかった(1回だけ誰も手を挙げないまま終えざるをえなかったことがあったが、それはちょっとしたハプニングが起きたことによる例外中の例外だった)。

 最初の一人目がいつ現れるかというところが肝心だ。最初に手を挙げた人には僕らも特別な思いを抱く。その勇気を称たえたくなる。だから心からのエールを送る。一人が手を挙げればそこから先は我も我もと競うように手が挙がり出す。それも先刻承知のこと。それがわかっているから手が挙がるのをじっくり待つ。

青空応援団もうひとつの応援の流儀

 それとともにもう一つ、僕らには流儀がある。それはエールを送る人数を絞るということ。一人でも多くの人にエールを送ってあげたいのは山々だが、最初の数人で打ち止めにすることにしている。

 どうせなら希望者全員を応援してあげればいいじゃないかと思うかもしれない。だが、それも違うと僕は考える。なぜなら、現実社会はそれほど甘くないからだ。社会は君のためにいつまでも待ってはくれない。そのことも知ってもらいたいんだ

 この社会で夢や希望を叶えるには、フットワークの軽さと「心の反射神経」が問われる。常に備えておくこと。そしてここぞというときに素早く反応できる柔軟さや身軽さが必要だ。一瞬の気後れや迷いが道を閉ざすことになるのが現実社会だからね。

青空応援団 ~僕らはいつだって応援している~

青空応援団 ~僕らはいつだって応援している~

小学校で講演するといじめがなくなる。施設で応援すると車いすのおばあちゃんが立ち上がる。座り込んだランナーが再び走り出す。東日本大震災後、「人助けに理由はいらねぇ」をモットーに泥かきを手伝っていた「スコップ団」の団長が「もう支援ではない。これからは応援だ」と社会人応援団を立ち上げた

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