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燃料費高騰で逆風の電力業界。東電、関電も業績悪化の“深刻な事情”

ビジネス

関西電力の業績推移は?

 関西電力は、その名の通り大阪、京都、岐阜など関西圏を管轄エリアとしています。ただし上記の通り電力は自由化されているため、首都圏で関電と契約することも可能です。決算資料によると近年(2018/3期~21/3期)の業績推移は以下の通りです。

【関西電力の業績(2018/3期~21/3期)】
売上高:3兆1336億円→3兆3077億円→3兆1843億円→3兆0924億円
営業利益:2276億円→2049億円→2070億円→1457億円
最終利益:1519億円→1151億円→1300億円→1090億円

 売上高について、2019/3期は電気料金の値下げを実施しましたが、東電と異なり小売販売電力量が増加したため増収となりました。ガス・通信など他事業の増収も貢献しているようです。しかし、2020/3期には販売電力量が減少して、減収となるなど東電と同じような道を辿っています

東電と同じような道を辿っている

関電ビルディング

関電ビルディング ©yychs

 2021/3期は東電と同様、コロナ禍の影響と競争激化によって減収となりました。利益面では、2019/3期は燃料費高騰によって減益となった一方で、2020/3期は燃料費が低下したほかコストカットに努めたことで利益を維持しました。2021/3期はコロナ禍や新電力による競争激化の影響が大きく、大幅減益に至っています

 最新2022/3期第3四半期の業績は売上高1兆9498億円(前年同期比:▲10.7%)、営業利益883億円(▲38.2%)と大幅な減収減益となりました。2022/3期通期では売上高2兆8000億円と2020/3期比で▲9.5%を見込んでいます。こうしてみると、関電も東電と同じく、小売販売量の減少と燃料費の高騰が業績悪化に寄与していることがわかります

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