年商60億円の「相席ラウンジ」グループ代表が語る原点は“週5回の合コン”
あるあるをもとに作った掲示板が盛況
――自身のお仕事のなかで、「?(ハテナ)」から生まれたものはありますか?
西山:当店は、同性のお友達と2人以上で来店される方がほとんどです。でも、「仕事が意外に早く終わった! オリエンタルラウンジ行きたい!」と、同性の友達を急に探してもなかなか捕まらないし、連絡して何度か断られたりしたら、次からは連絡するのが気まずくなったりもしますよね(笑)。
そこから僕は、同性の飲み友達を探せる「SOLOTTE!」というアプリ掲示板を作りました。男女が出会うマッチングアプリはたくさんありますが、今日飲みに行ける同性の相手を探すマッチングアプリってなかったんですよ。それを「そんなもんか」で終わらせず。「なぜないんだろう?」と「?(ハテナ)」を持ったからできたんです。
今では1日に何十件も書き込みがあって、「SOLOTTE!」で知り合って来店される方が本当に多いです。それに、地元や職場だけじゃなく新しいコミュニティで友達ができると、ご好評をいただいています。
――「?(ハテナ)」を持ってアイデアが出た先で、行動ができるのも必要なことですね。
西山:意外とみんな「いいこと思いついた」はあっても、なかなか行動まではしないんですよ。そこに差が生まれますよね。
今まで失敗例をたくさん見てきた
――話していただいたような考え方と行動で、例えば脱サラしてお店をはじめようと考えた人がいたとします。起業するときに気をつけるべきことはなんですか?
西山:初めての出店って、めちゃくちゃ楽しいしワクワクしちゃうから、あれもこれもってなっちゃうんですよ。その気持ちは分かるんですけどね。
例えば、「自分のバーを出すこと」を夢見ている人の場合、女性客のためにリキュールを置いておこう、フルーツカクテルも流行ってるからと生のフルーツも仕入れよう、たまにご飯を食べたい人もいるだろうしカレー作りが趣味だから、カレーもメニューに入れようとなる。
それなら厨房も少し広くないといけないから、広い店を借りることに。それで、せっかく広いなら、個室も作りたくなってそこにカラオケを入れちゃったりする……。自分がやりたいことを全部詰め込んじゃった結果の失敗は本当に多いです。失敗しないためには、自分がやるバーの本質がなんなのかを突き詰めて、まずはそこを極めたお店をはじめるのがいいです。
――どのように突き詰めるのがよいと思いますか?
西山:極端な話、例えばハイボールが好きな人がバーを始めるなら、カウンター席だけで良いんじゃないですか。こだわりのウイスキーをたくさん並べて炭酸水を用意して、おつまみは簡単な乾きものだけのハイボール専門店です。しかも敷地も狭くてワンオペで営業できますよね。ここから始めるんです。