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情報を活かせる人、ムダにする人の差とは?ビジネスで圧倒的な実績を残せる

学び

情報を見分けるために注意すべき視点

調査

 論理的に数字も使って整理された情報などは特に「事実」情報に見えてしまうため、意識して「事実と意見」、あるいは「客観と主観」を切り分けて整理する必要があります。これらをはき違えて解釈すると、誰かの思惑や自分の誤解で情報がゆがめられてしまうリスクがあるからです。

 注意すべき視点は「あいまいな言葉」使いで、これは、間違っていなくても事実を確認するまでは単なる個人的な意見に基づいている可能性があります。たとえば、「今度の新商品の評価は“高い”」と評する情報があったとしましょう。事実を具体的に確認すると、アンケートで5点満点中、平均3点の場合、本当に評価が高いと言いきれるのでしょうか?

 もちろん内容によりますが、「評価は高い」と主張する側の個人的な価値観に基づく意見かもしれません。3点だと「普通レベル」というのが現実的な解釈の場合もあるでしょう

 同じように、商品Xは「売れ行きが“いまいち”」という論調の情報でも、事実データでは前年比を超えており1か月で2倍近くの売上であれば、その論調をつくった側の期待値に基づく個人的な意見に過ぎないかもしれません。

 このように、「あいまいな言葉」の中に意見と事実が混在しているので、具体的な表現に変換して確認し、意見と事実を「切り分ける」必要があるのです。

情報整理は「整える」のではない

 成果につながりそうな使える情報の見極めが終わったら、そこで息切れしてはいけません。仕事という意味では、ここからが本番です。センターピンを意識して情報をインプットし、事実と意見を切り分けて整理までできたとしましょう。その状態だけでは、ただ適切な情報を入手しただけにすぎませんから。

 ここから、手にした情報はどのような意味を持つのか? 成果につなげるために、どう応用すればよいのか? という視点で深掘りしていく必要があります。ポイントは2つです。「だから何?(So What?)」と、「それはなぜ?(Why So?)」の2点で情報の意味を考えることです

 たとえば、売上において「顧客Aの1社で売上全体の80%を占めている」という情報があったとしましょう。これだけを眺めていても「へ~」という言葉しか出てこず次につながりません。

「顧客Aに依存していると、発注が途切れた時に経営は傾くな」(解釈)と考え、「顧客Aへの依存を下げて新規顧客を開拓すべきだ!」(仮説)という、新たな構想につなげます。つまり、手元に情報が揃えるだけでなく、「だから何?」と自分に問いかけ、独自に解釈や仮説に変えなければ情報単体では価値を持たないのです

ノイズに振り回されない情報活用力

ノイズに振り回されない情報活用力

「自分に必要な情報の効率的で精度の高い集め方(インプット)」から、「集めた情報の整理」、「情報を使いこなすための方法(アウトプット)」までを解説した、情報の本質を見極め、仕事の成果につなげていくために必要なスキルが身につく1冊

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