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23歳の元プロゲーマーを直撃「セカンドキャリアどうしてる?」

学び

5年後の自分を想像すると「正直怖いです」

Day1

「ゲームばっかりやってるな!」と怒られながら育ってきました

――子供の頃からゲーム好きだったのですか? せっかくなので、どんなゲームを遊んできたのか教えてください。

Day1:「ゲームばっかりやってるな!」と怒られながら育ってきました(笑)。最初の記憶は、幼稚園のときにゲームボーイを触っていて『ポケットモンスター赤・緑』(1996年発売)をやっていたかな。その頃はモノクロですね。それで、小学校低学年で『ファイナル・ファンタジー7』を触って、えらく楽しくて。

 一番ハマったのはアトリエシリーズですね。高校1年で『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』(2009年発売)を始めてたのですが、生きてきたなかで一番ハマったんじゃないかと思いますね。

――対戦ゲームでないのは意外ですね。

Day1:高校の頃はFPSも遊んでましたし、友達と大会に出たりもしてましたよ。そんな流れで友達に誘われてLoLをはじめましたね。

――eスポーツ市場全般については、どんな思いで見ていますか? 2018年のインドネシア アジア競技大会では、デモンストレーションを披露することも発表されています。

Day1:前には進んだなと思います。ただ、実感とのズレを感じるというか、日本で浸透させるのは大変なのかなとも思っています。日本では、ゲームはあくまで遊びだったり、暇つぶしじゃないですか。よくないものというイメージがあって、その刷り込みは軽くはない。

 僕自身、プロになってさえも、どこかに後ろめたさを拭えなくもありました。遊びだから、手放しで褒められるものではないというのがあったのかもしれません。若い世代はゲームを前向きにとらえているのですが、そもそも高齢化社会で若者は少なくなりますし。

 海外の大会は規模が大きいし、会場も盛り上がっているのですけどね。本当に熱狂的なんですよ。そんな風に受け入れてもらうために何ができるのかですが、とにかく尊敬できる選手は必要だと思います。どのスポーツでも、スーパープレーで魅せるスターや、崇高な人格者がいますよね。それを自分たちの世代で送り出さないといけない。注目を集められないと、後が続きませんし、そのうえで稼げてる姿を見せないといけない。

 本当に始まったばかりなので、今の日本のプロゲーマー関係者は、正直、全員人柱だと思いますね。全員が食っていけるかというと、なかなか難しいかもしれませんが、楽しい業界ではあります。

――今後のためにも、日本のLoLシーンが盛り上がっていけばいいですね。

Day1:それは大問題ですね。ただ、盛り上がりは感じているんです。身近なところでは、「今年からはじめました」なんてツイートをちらほら見かけますし、最近の日本サーバーは対戦相手を探すのも早くなっているので、それだけプレイヤー数も増えているのでしょう。

――5年後の自分はどうなっていると思いますか?

Day1:いやー、正直、想像したくないですね。怖いです(笑)。普通に働いているわけではないので、どういう人生を歩んでいるのか想像もつきません。一方で大人気の業界になる可能性は充分にあるわけですから、賭けてみようという思いはあります。長く関わっていきたいですね。

――オリンピックの解説をしているかもしれませんね。

Day1:そうなったらいいですね! 自分としては、フリー解説者の立場なので、せめて活動の幅を広くすることで、ゲームシーンを盛り上げていけたらと思っています。

 LoLの大会は、公式以外に有志による開催も多いですから、そこにも積極的に関わっていきたいです。参加者のプレーが実況解説されるような整った舞台があれば、「やってみたい」と思う人も増えるんじゃないかと。そういうことを繰り返す中で、日本のeスポーツ全体も盛り上がっていくと思いますね。

<取材・文・撮影/江沢 洋>

Day1-3

【Day1】
対戦型ネットゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)のゲーム解説で同ゲームの元プロプレイヤー。2013年にLoLに出会い、2015年にプロチームのトライアウトに合格しプロプレイヤーに。2017年にLoL解説者に転身し活躍中

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