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コロナ感染した“基礎疾患あり”ラッパーの自宅療養記「日本の対応は破綻している」

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自宅療養最終日に届いた物資や食料

救援物資

 保健所からは「症状の変化があれば、かかりつけ医にも連絡してください」と言われていましたが、病院のサイトに「電話の問い合わせはやめてください」と出ているくらい電話がパンクしている厳しい状況でした。なので、重症化しないことを祈りつつ、ひたすら症状の改善を待つという日々を送ることになります

 東京都には自宅療養者支援のために「配食サービス」があります。都民の税金で賄われているのですが、到着したのは自宅療養の最終日でした。段ボール3箱に水や、ゼリー飲料が入っていて、何かあったときの備蓄として非常に助かっていますが、終わったタイミングで来たな……っていう感じがあります。

 僕が療養していたころ、東京都だけで1日あたりの新規感染者が1万7000人ほど出ていました。都内の自宅療養者は8万人いると言われていて、それを各自治体の保健所にある「自宅療養サポートセンター」の職員や看護師さんがひたすら電話対応しています。

 感染者数が1万人増えても、スタッフが1万人増えることはもちろんないので、同じ人数で日々増加する感染者数に対応しなくてはなりません。これは想像しただけでも、システムとしてかなり破綻しています。

基礎疾患ありの人だけで手一杯

 僕は基礎疾患があったので、モニタリングを非常に丁寧にしていただいてたことが後でわかります。同時期にコロナの陽性になった友人、知人が何人もいるんですが、初日に「自宅療養してください」という連絡が1回あったきりで、その後は保健所からの経過観察の電話はないまま、10日間の療養期間が過ぎた人が大半でした。

 つまり、都内の自宅療養に関しては、基礎疾患ありの人をモニタリングするだけで手一杯ということです。もちろん重症化リスクがある人のモニタリングができない事態にはなっていないので、ギリギリの線は保っているとも言える。

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