キリンビールがトップに返り咲いたCM戦略。タモリが「うまい」しか言わないわけ
キリンビールの国内販売が好調です。2021年1-9月の国内ビール類の売上高に当たる売上収益は前期比1.2%増の4850億円となりました。キリンは2018年に販売を開始した第3のビール「本麒麟」が大ヒット。2020年3月に10億本を突破しました。
2021年は1月から9月までで販売数が前年比89%に留まっているものの、その人気はまだ健在。また、定番の「氷結」は9月までの販売数が前年比108%となりました。キリンの好調は第3のビール、缶チューハイが支えています。
キリンは一時業績が伸び悩んでいましたが、発泡酒や第3のビールを含めたビール類での比較では、2年連続でシェアトップとなりました。どのように復活したのでしょうか?
商品開発とマーケティングと持ち味
2017年12月期の国内事業のキリンの売上収益は6470億円。キリンビールがビール、発泡酒、第3のビール、酎ハイなど多角的な商品展開をし、巧みなマーケティング戦略によって消費者に訴求していたためです。
発泡酒や第3のビールの登場にも柔軟に
国税庁によると、平成30年(2018年)のビールの課税移出数量は248万キロリットル。ピークの平成6年(1994年)の708万キロリットルから約65%も減少しています。
これは税金の安い発泡酒が開発され、発泡酒が増税されると第3のビールが世に出されるという歴史を辿ったためです。キリンはこの需要の変化に柔軟に対応しました。