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サイバーエージェント、ライブドアを経てクラフトビール会社を興した男が語る「魅力と収入の覚悟」

ビジネス

「自分でビールを作りたい」という思いで起業

クラフトビール

五反田の直営店

――起業したいというのは、いつ頃から思っていたんですか?

山田:ヨーロッパにいる時は、漠然と「面白そうだな」「やってみたいな」としか思っていなかったんですが、帰国してからビールについてより詳しく知るうちに「クラフトビール」の存在を知りました。

 クラフトビールは、アメリカを中心として現在進行形のムーブメントとして盛り上がっていて。そういうところに行って、実際にクラフトビールや地ビールを飲んで、改めて「自分で造りたい」と思ったので、起業を決意した感じです。

――なるほど。でも起業というのは人生の中でもかなり大きな変化だと思います。そのままIT系の会社で駆け上がろうとは思わなかったんですか?

山田:まずライブドアがライブドア事件で幕引きになってしまったりだとか、起業する少し前にはメルカリ創業者の山田進太郎さんが設立した「ジンガジャパン」というソーシャルゲームの会社にいたんですけど、残念ながら日本事業は閉鎖になってしまったりだとか、そういうことが重なったのも決断の要因として大きかったと思います。

 それから、私自身ゲームそのものに対してあまり興味はなくて。やっぱり自分が主体となって関わるということを考えると、プロダクトとしてはゲームにそれほどパッションがなかったんです。

 ファイナンスとか経営企画という意味ではやりがいのある仕事だったんですけど、自分の会社のプロダクトそのものに興味を持てたほうが、より集中力や力が発揮できるんじゃないかと思いました。それで、当時一番興味があったのがクラフトビールだったんです。

収入面でのリスクは覚悟していた

クラフトビール

――独立するにあたって、収入面での不安はなかったんですか?

山田:業種にもよりますけど、やっぱり自分で事業をするとなると、短期的にみたら収入は下がることが多いんじゃないかと思います。でもこれは長い目で見て取り戻していくものです。

――ということは、不安はあまりなく、長期的に見て回収しようと考えていたんですね。

山田:そうですね。もちろん、安定性を求めるならサラリーマンとして会社に務めていたほうがいいと思います。でも、起業はうまく行けば普通のサラリーマン以上の収入を得ることができます。うまくいかない場合は自己破産などのリスクもありますが…。なのでそういう覚悟で起業しましたね。

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