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LGBTに戸惑う企業…28歳ベンチャー社長が当事者として訴える“真の理解”

学び

「臭いものにフタ」無視されることで許容されてきたLGBT

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新宿2丁目の街並み photo by Asanagi CC0 BY 1.0

――日本の社会全体のLGBTへの理解度・受容度という点ではどうお考えですか?

外山:海外の国の多くは宗教が道徳や考え方のベースになっていて、それにより差別や迫害が生じ、ときに当事者が襲撃されるなどして死に追いやられることもあります。

 それに対してLGBT側からの抗議が起きて、その運動が実を結んで法律でLGBTの権利が認められる……というのが大まかな流れです。

 しかし特定の宗教を持たない日本の場合、迫害による死者が出ることはありません。しかしながら「臭いものにフタをする」という習慣がありますよね。LGBTを存在していないものとして無視したりタブー視するという。

 そうした背景もあって、新宿2丁目のような世界有数のゲイタウンが生まれ、そこから独特のカルチャーが醸成されてきました。ゲイタウンに誰が集まろうが、周囲の誰からも文句は出ない。だから当事者にとってストレスを発散する場として機能してきたという一面もあります。

 ゲイタウンの存在は、日本においてLGBT当事者は無視されることで許容されてきたということの表れでもあるんですね。だから本当の意味での理解という点では、やはり遅れていると感じています。

――LGBTの権利のひとつとして同性婚が考えられます。2015年には渋谷区で同性カップルの「パートナーシップ証明書」の交付が始まりましたが、当事者のなかでニーズは高まっていますか?

外山:高まっているというよりは、今までもそういうニーズはありましたし、表沙汰になっていなかっただけだと感じています。堂々と声に出してもいい雰囲気になりましたね。

ネットの存在に救われた高校時代

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※画像はイメージです(以下、同じ)

――外山さんは現在28歳ですが、どのような子供時代を過ごしてきましたか?

外山:僕自身、高校時代にはじめて自分がゲイだということを自覚しました。北海道出身なのですが、子供時代を過ごした地元は保守的なコミュニティで、両親も古風で厳格なタイプ。ゲイにとって優しいものとはいえませんでしたね。

 小さい頃から「男らしくすべき」という空気を感じつつも僕自身は「何で合わせなきゃいけないの?」というスタンスだったので、周囲のジェンダー観にあまり左右されずに過ごしていました。自分の中の違和感を誰にも相談できない環境でしたけど、高校時代からネットを通じて似たような境遇の人と繋がることができたので、かなり救われていました。

――LGBT同士でも、育ってきた時代によって考え方の違いはありますか?

外山:世代間の違いということでは、ずっと以前からマイノリティを表明して活動するLGBTアクティビストの方はいましたし、個人ごとにいろいろな考え方があるので、単純に世代だけでくくることは難しいですよね。

 とはいえ、傾向としては、昔は個人が社会の側に合わせていく考え方が主流でした。一方で僕らの世代は、社会の側が自分たちに合わせるべきという声が多いように感じます。

 そもそもLGBTには、「多様な性の多様な個人を受け入れる」という考え方があります。それをひとつの社会や価値観にあてはめようとするのは無理がありますし、違和感を覚えますよね。

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