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「日本一の魚屋」角上魚類、鮮度の良さ・安さのカラクリを新潟まで確認しに行ってみた

ビジネス

鮮度の良い魚を安く提供することで大人気に

 今回は新潟漁協、新潟中央卸売市場のみを密着しましたが、これに加え、角上魚類の本社がある新潟・寺泊界隈では夕方に行われる市場もあり、そちらでも地場の美味しい魚を仕入れるのだそうです。

 角上魚類の考えは「魚屋さんに来るお客さんのうち、『今日はこの魚を絶対に食べる』という意思を持ってくる人は少ない。それよりも、その日に上がった鮮度が良く、安く、美味しい魚を選ぶ。特定魚種を高値で仕入れるのではなく、こういった魚を店頭に並べるのだ」というものだそうです。

角上魚類

朝5時台に仕入れられた魚は、関東圏の早いお店では朝10時の開店時には、店頭に並ぶという仕組みです

 確かに自分を振り返ってみても「今日は絶対ブリ。今日の俺はブリじゃなくちゃダメなんだ」という強い意思を持ってスーパーマーケットや魚屋さんに行くことはなく、店頭にある獲れたてで安い「今日入ってる魚」を選びます。この角上魚類のシンプルで正しい営業方針が客のニーズと合致し、絶大な支持に至っているようです。

 角上魚類の謎は、謎でもなんでもありませんでした。ごくごくシンプルで実直に客が喜ぶためにだけを考え、鮮度の良い魚を安く提供することで大人気となり、ロードサイドや郊外で絶大な支持に至っていることがよくわかりました。

<取材・文・撮影/松田義人>

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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