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「日本一の魚屋」角上魚類、鮮度の良さ・安さのカラクリを新潟まで確認しに行ってみた

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 郊外の街道沿いには、大型チェーン店が濫立しています。ファストファッション店、ホームセンターといった有名チェーンのロードサイド店に並んで、関東圏の一部では「角上魚類」という巨大な魚屋さんが突然現れることがあります。

角上魚類

角上魚類

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 当初、角上魚類を知らなかった筆者は「どんなお店なのだろう」と、その賑わいにつられ、興味本位でお店に入ってみました……するとびっくり!

鮮度の良い魚が破格の安さで

 広い店内には鮮魚コーナーのほかに、寿司コーナー、惣菜コーナーなどがあり、いずれのコーナーでも客でゴッタ返し、誰もが買い物に高揚している様子。売られている魚を見ると、マグロ、鯛といった定番魚だけでなく、聞いたことも見たこともない魚が、ピチピチの丸物の状態(おろされていない状態)でズラリと並んでいます

 さらに、驚くべきはその価格です。安い魚では1尾数十円からあり、またマグロや鯛といった見慣れた魚であっても、スーパーなどの価格よりも数割も安く、そして量もはるかに多いのです。

角上魚類

鮮度の良い魚が破格の安さで並ぶ角上魚類の鮮魚コーナー

角上魚類

ビッシリ入った甘海老もこのお値段

 いったいなぜそんなことが可能なのか? 今回、新潟にある角上魚類の本社に直談判。「仕入れから販売までのフローを見せて欲しい」と依頼したところ、担当者の方はあっさりと「いいですよ!」と快諾してくれました。というわけで、今回は角上魚類の謎に迫るべくその裏側に密着することにしました(※取材は取材対象者と十分な距離を保ち、可能な限りの感染予防・対策のもとで実施しました)。

朝3時半に市場集合!新潟の競りは独特

 直談判したところあっさりと快諾してくれた角上魚類の担当者の方でしたが、「朝3時半に新潟漁協の市場に来てください」と言います。朝3時半! いくら魚の仕入れは朝が早いとはいえかなり早い朝です。しかし、角上魚類の謎を探るためです。朝3時半キッカリに指定の新潟漁協の市場に行きました。

 新潟漁協には船着場が隣接しており、漁師さんたちがまさにこの晩、近海で獲ってきた魚を船着場でおろし、それが市場に並ぶ仕組みです。

 場内には水揚げされたばかりのピチピチの魚が発泡スチロールに入れられ並んでいました。その周囲を鋭い目線で、魚の仕入れ業者が注目しています。この中で一際目立つ赤い制服の7名……そう彼らこそが他ならぬ角上魚類のバイヤーの方々なのでした。

角上魚類

他の仕入れ業者に対し、真っ赤な制服が一際目立つ角上魚類のバイヤーの方々

 4時になると市場内に鐘が鳴り、これと合わせて魚の競りが始まります。全国各地の市場での魚の競りは、おおむね買いたい業者が値を釣り上げていくオークションのような方式がとられています。しかし、新潟は独特。最初に設定された値段から買い手がつかなければどんどん値が下がっていくという競り下げ方式なのだそうです。

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