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メダルかじりは「愛情表現」!? 河村市長の言い訳に抱いた、違和感の正体/ダースレイダー

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海外報道では日本アスリートの名前すら出てこない

開会式の菅義偉首相

開会式の菅義偉首相(代表撮影:雑誌協会)

 インパクトある河村市長のメダルかじりつきは、海外報道もされていました。ただ、これがどう映っていたかは、また別の話になります。

 なぜなら、実は海外に住んでいる人で五輪に興味のある人は基本的にスポーツファンで、彼らはその国の社会事情や政治事情にほぼ関心がありません。関心があるのは、単純に五輪の結果がどうなっているかです。

 なので、各国の報道を見ると、政治・社会面で日本で起きている問題点の指摘はされていますが、基本的には日本と同じで、自国の選手がどう活躍したかという内容です

 アメリカやイギリスの報道では、日本アスリートの名前すら出てきません。そういった意味では、何が世界に発信されていくのかという違いを海外報道ではチェックできます。

トヨタへ謝罪に行く姿勢が、河村市長の“本質”

 河村市長の件も、海外で報道はされています。世界に向けて、こういう人がいるんだなということは発信できたわけです。

 この騒動に関しては、ネットを中心に批判が相次ぎました。河村市長は「最大の愛情表現だった」「金メダルへの憧れだった」を言えば許されるだろうと、たかをくくっていたと思うんですが、残念ながら非常に炎上してしまいました。

 さらには後藤選手が所属するトヨタ自動車からも抗議を受け、本社へ謝罪文を渡しに行きました。トヨタは愛知県の枠を超えた日本最大の企業で、河村市長を支持する名古屋市民に大きな影響力を持っています。

 五輪関連では国内CMも流さず、開会式にも参加しないというスタンスも報じられました。そんなトヨタにまず謝罪に行く姿勢というのも、河村市長のあり方の本質だと思っています

<TEXT/ダースレイダー 構成/bizSPA!取材班 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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