若者に人気の低アルコール飲料「ZIMA」が“地方都市”から広がったワケを聞く
フェスブームに合わせたブランドの露出
さらに、国内でフェスブームが盛り上がってきたときも積極的にブース出展し、ブランド認知を高めるために勤しんできたという。
「日本3大フェスと言われるフジロックやロックインジャパン、サマーソニックには、他のRTD飲料を差し置いてZIMA独占のブースを出店していました。『インターナショナルなかっこいいドリンク』というイメージを、ナイトシーンに行かない若者に訴求するため、フェスでのアプローチは欠かせないと考えていたんです。7〜8年前までは大小合わせて年間100日前後、ブースの出店を行なっていましたね」
若者カルチャーにうまくブランドが入り込み、デザイン性に富んだボトルをラッパ飲みするZIMAらしい飲用体験の醸成に成功したことで、若者の支持率は上がっていった。今ではプレミアム低アルコール飲料の定番として知られ、まさに“アメリカ生まれ日本育ち”のRTD飲料にまで成長したのだ。
発売から14年。リブランディングを敢行
家の外で飲むシーンが多かったZIMAだが、発売から14年が経過した2021年7月、家庭用市場への訴求を強化し、新たな客層はもとより多様化する消費志向に応えるべく、ブランドロゴやパッケージのリニューアルを敢行した。
新生ZIMAとして再出発を果たす理由について、名嘉眞氏は「クールでかっこいいZIMAらしさはそのままに、一般的なRTD飲料のマーケティングに寄せながら、新たな魅力を提案していきたい」と意気込む。
「コロナ禍による在宅時間の増加で、家飲み需要が高まるなど、ライフスタイルや価値観はより一層、多様化が進むと考えています。そんな社会背景から、ZIMAが得意とするパーティシーンなどの若者カルチャー以外にも、幅広い世代に向けて飲用オケージョンの拡大を図っていきたい。“無限大の可能性を提供していく”というコンセプトのもと、さまざまな味わいや飲用体験の価値を見出していければと思っています」
従来のフレーバーに加え、新フレーバーとして「レモン&ライム」と「オレンジ&カシス」を投入し、「イエナカ消費」に照準を合わせていくという。また、ストックやまとめ買いニーズも汲み、ブランド初の6缶パックを展開するなど、新しい挑戦にも果敢に臨んでいる。