眠れないのはストレスのせい?「不眠の改善策」を専門医に聞いた
どの程度の症状なら病院に行くべきか?
不眠の自覚症状や程度も人それぞれで定義しづらいが通院したほうが良い基準はあるのか。
「数日程度の不眠であれば、急いで病院に駆け込まなくても大丈夫です。逆に、生活に大きく支障を来たしていたり、1か月以上続く場合は病院に行ったほうよいでしょう」
一般的に不眠を扱う精神科であれば、多くの病院で睡眠薬を処方してくれる。一方、カウンセリング治療を行っている病院は限られているのだとか。初診の自己負担は3割負担、3000~4000円の範囲で、薬局の調剤料は薬の種類やジェネリック医薬品かどうかで変わる。
服用される薬には、入眠を助ける短時間タイプのものから、長時間タイプのものまで非常に種類が多い。坂野氏は「(日本で処方されている)ほとんどの薬には、依存性(使えば使うほど薬を飲まないと眠れなくなる)や耐性(服用するうちに効果が弱まる)がある。長時間タイプのものは依存性や耐性も強い。また、抗不安薬や抗うつ薬なども対症療法として処方される場合もある」と説明する。
薬のほうが即効性はあるが…
一方、カウンセリングによる治療は「基本的に本人の状態に合わせて調整して言うことが多い」とのことだ。
最近は認知行動療法(現状の問題を具体的にして、考え方や行動を徐々に変えていく心理療法)が注目を集めている。ストレスや抑うつ、不安がある患者は、一般的な傾聴タイプのカウンセリングを受けることで、不眠症状の軽減も期待できるのだとか。
薬とカウンセリングの違いを聞くと「薬による治療は即効性があるため希望する患者は多い」そうだ。逆にカウンセリングは時間がかかるものの、慢性的な不眠には薬より効果があると認められている。