TikTokで“総再生3億回”の山形県ローカルタレントが語る「地方での戦い方」
さくらんぼと温泉が有名な山形県で、長年ローカルタレントとして活動しているミッチーチェンさん(@madmaniax25)。
なぜか、山形では地域密着型のタレントが根付かないなかで、地元の天童市では創業44年の陶器店の2代目としてお店を切り盛りしながら芸能活動を続けている。
今回、タレント不毛の地で孤軍奮闘するミッチーさんに、山形でなぜ長らくタレントとして活動することができているのか話を聞いた。
山形にローカルタレントが少ない理由
まず、どこの目立たない地方部でも同じなのだが、山形県にはなぜローカルタレントが少ないのか? その理由は意外なものだった。
「山形の人は自分のことをアピールするのが非常に苦手なんです。人よりも前に出ることを良しとしない風潮で、一歩引いている感じなんですね。山形には『アガスケ』っていう方言があって調子に乗っているって意味で、目立つことをしているとすぐに周りから『あいつはアガスケだ』と言われてしまう。
そういう土地柄なので、芸人やタレントさんのような人達が地元に根付かないんだと思います。僕も中学生の頃から芸人やタレントになりたいと思ってましたが、なかなか周りに言い出せなかったですからね……」
大病をきっかけに「R-1」にエントリー
ちなみに、山形県出身のタレントは、ウド鈴木さん、あき竹城さん、橋本マナミさんなどが名前を連ねるが、みなさん東京で活躍している。ミッチーさんも東京での活動を考えたことはなかったのか?
「大学は東京だったのですが、陶器店の2代目として継ぐことが決まっていたんです。なので、東京で活動するということは全く考えてなかったですね。その後に25歳でお店を継いだのですが、当初は地元に溶け込めなくて1年後に大病を患ってしまったんです。ストレスが原因だったのですが、寝たきり状態になってしまって。
その時に自分は一度死んだと思っていて、今後の人生は好きなことをしないといけないと思ったんです。で、やっぱりお笑いに携わることがしたいと思い立って、すぐに『R-1グランプリ』にエントリーして挑戦したんです。その時に、ミッチーチェンって名前を初めて使ったんです。
R-1の楽屋で芸人の友だちもいっぱいできて、東京に通って劇場に出たりして評価もいただくなかで、ふと思ったんです。『東京でいっぱい芸人さんいるなかで戦うよりも、山形で活動したほうがいいんじゃないか?』って。芸人もタレントもいなかったし、拠点は地元にしたほうがいいと考えたんです」