広告費ゼロの「フルーツ大福店」が半年で全国10店に。28歳脱サラ男性の驚きの集客戦略
焼肉店から大福屋に方向転換
しかし、順調に見えた店舗経営に突如として暗雲が立ち込めます。
「新型コロナウイルスの影響で、売上が3分の1に落ち込んでしまって……。インスタ経由で全国のお客様が集まってきていたので、県外移動を制限されたのは大打撃でした」
起死回生の一手を打たないといけない。そう思ってオープンしたのがフルーツ大福凛々堂だったのです。なぜフルーツ大福に目をつけたのでしょうか。
「焼肉店は閉店してしまいましたが、SNS分析の経験は残りました。グルメ系で伸びる投稿には、いくつかの共通点があります。具体的には断面が鮮やかで、種類も豊富なので並べるとカラフルなもの。実際にInstagramのグルメアカウントで、フルーツ大福の写真を投稿してテストしたところ、『保存』がかなりついたので、いけるなと思ったんです」
コロナ禍と相性が良かったフルーツ大福
さらに、アフターコロナの世界でもフルーツ大福なら「いける」と踏んだといいます。
「集客力だけなら、ステーキ丼や鴨肉丼のほうが高い。でも、飲食ビジネスをトータルコストで考えたとき、フルーツ大福は(原価が)安くて、(コロナに)強いんですよ」
たとえば、調理法。
「フルーツ大福ならセントラルキッチンひとつで調理できるので、設備投資や維持コストが低く、洗い物も少ない。さらにテイクアウトや通販との相性も良く、コロナ禍にもマッチしています。また、結果的に客単価もあがるんです。なぜならステーキ丼など飲食店のメニューは1人で1つの注文になることが多いですが、フルーツ大福は1人で3個も4個も購入していただけることが多いですから」
そして、この“読み”は結果として大成功を収めるのでした。