キャリアアップは「偶然が8割」 偶然を味方につける5つの行動特性
ポジティブな偶然が起きる5つの行動特性
では、具体的にどのような行動によって、ポジティブな偶然が起きやすくなるのでしょうか? クランボルツ教授は『その幸運は偶然ではないんです!』(ダイヤモンド社)のなかで以下の5つの行動特性が重要であると指摘しています。
【① 好奇心】
先ほどの2つの飲み会の例のように、不慣れな場や新しい機会に対して好奇心を持って参加してみましょう。いつもと変わらない場所でいつもと変わらない人と一緒にいるだけでは、ポジティブな偶然は起きにくいものです。
【② 持続性】
好奇心を発揮して新しいことを始めても、すぐに偶然がやってくるわけではありません。一定期間どっぷり浸かってみることで面白さがわかったり、一定のスキルが身についたり、人的ネットワークができたりするのです。
【③ 楽観性】
好奇心があっても、悲観的では新しい機会に飛び込むことができません。「なんとかなるだろう」という楽観性があれば、新しい変化を歓迎できますし、避けられない変化ですら楽しめるようになります。
【④ 柔軟性】
一度始めたらやり抜くべきだ、という固執は視野を狭め、目の前の変化や機会を見逃してしまうことにつながります。持続性も重要ですが、柔軟性を忘れてはいけません。柔軟性があれば、あらゆる変化や機会に自分を適応させることができるでしょう。
【⑤ 冒険心】
新しい機会や変化のもとでは、それまで使ってきた「こうしたらこうなるだろう」という予測が役に立ちません。特に大きなチャンスほど、何が起きるかわからない。そういった予測不可能な状況でリスクを取ることが求められます。
これらの5つの行動特性によって、計画的にポジティブな偶然性が引き寄せられます。この理論は20年以上前に提唱されたものですが、現代にも通じるものだと思います。新しいキャリアを切り拓くために、わたしたちは仕事を通じた経験の蓄積だけでなく、偶然を味方につける必要があるのです。
<TEXT/ディスカッションパートナー 黒田悠介>