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大反対されたブランドが300億円規模に。アパレル苦境のなか「バロック」代表に聞く闘い方

ビジネス

成功の要因は「現地の人に任せる」こと

バロック

 バロックジャパンリミテッドは2016年に東証一部に上場。現在では合計17ブランドを有し、国内外合わせて約650店舗を展開するまでに事業拡大した。なかでも中国市場の堅調な成長はめざましく、全店舗のおよそ半分近くにあたる約300店舗が中国国内に出店している。

 国内アパレル企業の店舗数だけでみれば、世界的に認知されている「ユニクロ」や「GU」を展開するファーストリテイリングに次ぐ規模であり、また無印良品と肩を並べるほどの出店数だ。国内外のハイブランドや有名ファッションブランドが“中国撤退”を相次いで余儀なくされるなか、なぜ中国市場に受け入れられているのだろうか。

「MOUSSYが中国人に受け入れられたわけではなく、中国国内でビジネスを伸ばすのに長けている現地法人と手を結び、うまくローカライズできたのが功を奏している。他社との1番大きな違いは何かと言うと『現地人に任せていること』。多くの日本企業は日本人を現地に赴任させ、グローバルビジネスを展開するのが定石となっていますが、日本とは勝手が違う反面、必ずしも意図した生産性を生み出せないこともよくある。

 他方、バロックの場合は中国で成長するためのセオリーを知る現地人に仕切らせていたんですね。そうすることで、日本の価値観ややり方を押し付けずに現地に合うマーケティングや戦略を行うことができる。これは私が海外駐在経験で得た知見なんです」

コロナは“台風の嵐”が過ぎ去るまで我慢

 2020年に起きた世界的なコロナの流行。まさに降って湧いた惨事であったが、幸いにも「被害は最小限に食い止めることができた」と村井氏は安堵する。

「中国事業はバロックの主軸だったこともあり、ロックダウンの影響は現地から情報として得ていました。そのため、中国でのコロナ対策の経験を生かし、日本国内ではあらかじめ生産体制の調整や店舗休業に伴うデジタルの強化などを視野に入れて動けたことが良かった。“台風の嵐が過ぎ去るのを待つ”ように、昨年はアフターコロナに向けての準備に充てることができた時期でしたね

 とはいえ、アパレル産業全体で見れば、コロナ禍で一層厳しい状況に立たされると言って過言ではないだろう。最後に今後の事業展望について村井氏へ聞いた。

「過去の歴史から考察すると、パンデミック流行が終焉した直後は歓喜に沸く消費が一時的に見られるものの、その後は経済不況やダウントレンドが来ると予想しています。コロナ後の経済的な下火は2年くらい続くのではないでしょうか」

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