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累計22.5億袋「カラムーチョ」は辛くなくなった?湖池屋に“噂の真相”を聞く

ビジネス

欠かせない「ヒーおばあちゃん」の存在

 こうして一定の広まりを見せるようになったカラムーチョは「スティックタイプ」に加え、1986年にはフラットタイプを発売することになる。お酒のおつまみとして、より広い層へも認知してもらうためのテレビCMを敢行。

 この時に登場したのが、カラムーチョお馴染みのキャラクターである「ヒーおばあちゃん」だ。

「辛いものを食べた時に思わず出る『ヒー』という言葉からアイディアが湧き、『ヒーおばあちゃん』や『ヒーヒーおばあちゃん』が生まれました。TVCMではあまりの辛さに『ヒー!』と叫ぶヒーおばあちゃんのキャラクター性が話題を呼び、カラムーチョの知名度を高めるきっかけにもなったんです。今ではムーチョブランドのパッケージに登場するくらい、なくてはならない存在になっていますね」

 かくしてカラムーチョは、“辛味スナックのパイオニア”と称されるようになり、激辛ブームを牽引するブランドへと成長していった。

絶妙な絡み合いがロングセラーの秘訣

湖池屋

写真左がスティックタイプ、右がフラットタイプのカラムーチョ

 現在までカラムーチョの累計販売数は22.5億袋に達するという。「発売から30年以上経つが、こだわっているのは“味付け”」と話す加藤氏は、カラムーチョが他社と差別化している点についてこう話す。

「カラムーチョは激辛スナックの先駆者であることが最大のブランドバリューですが、単に『辛み』だけではなく『旨み』を持たせたポテトチップスというのは唯一無二だと思っています。

 激辛だけを追求すれば、正直そんなに苦労せず辛さを表現できると思いますが、唐辛子とオニオン、ガーリックが作る『辛さ』と、肉と野菜が作る『旨さ』のバランスはまさに“黄金比”とも呼べるほど。癖になる“辛旨”はカラムーチョの発売以来、揺るがない秘伝の味として多少の微調整をすることはあっても、基本的な味付けは変えていないんです」

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