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深夜3時の叫び声の正体は…28歳が入居半年で「強制引っ越し」になるまで

コラム

「強制退去には時間がかかる」

 杉島さんは事情をマンションの管理会社に説明し、上の階の人に迷惑行為を辞めるようにお願いしたといいます。

「どうやら私よりも先に私の隣の部屋の方が連絡したようで、担当者には『あなたもですか』のような対応をされました。すでに私の上階の住民には注意を行なっているものの、改善できていない現状でした」

 上の階の住人は杉島さんと同じ年齢の独身者で、1年以上住んでいるものの、4月頃から精神的に不安定になり、警察に空通報をするなどのトラブルもあるようです。

「それを聞いて、ほぼ衝動的に『強制退去はできないんですか』と言ってしまったのですが、担当者には『今すぐは難しい』と返されました。これを聞いた瞬間、引っ越しを決意しましたよ」

 結局、杉島さんは数日後には別の不動産会社で新居探しを始め、1か月程度で転居。地方での悠々自適な生活はあっという間に終了しました

初期費用を払う余力は正直なかった

引っ越し

「2度目の転居費用は会社からの支援もなかったので、かなり苦しかったですね。家賃はともかく、初期費用を払う余力は正直なかったです」

 迷いに迷った杉島さんは、間取りはあまり好条件ではないものの、初期費用ゼロ円で家賃もお手頃な物件を選びました。

「隣人がトラウマになっていたので、最上階で隣も1部屋しかない物件にしました(笑)。前居住者が自殺してしまっていた事故物件ということが最大の難点でしたが、ほかに選択肢はありませんでした」

 短期間での転居は、精神的もお財布的にも大きな負担になるようです。近隣トラブルによる引っ越し代を大家や管理会社が負担してくれることはほとんどないので、引っ越しの際は事前には“もしもの事態”を想定して、引っ越し後の貯金などは十分に残しておいたほうが賢明かもしれません。

<TEXT/藤冨啓之 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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