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Netflixを辞めてPaidy CMOに。6回転職したすごい女性の“挫折と情熱”

ビジネス

なぜPaidyに転職を決めたのか

ペイディ

 シルビア氏は2019年から株式会社Paidyマーケティング責任者(CMO)に就任した。前職は世界的な動画配信会社Netflixの日本法人だが、なぜ転職を決意したのか?

「前職もやりがいのある仕事でしたが、Paidyの会長とお話し、そのビジョンに魅力を感じたことが転職した理由のひとつです。フィンテックの仕事を通じて、一緒に日本の消費者にインパクトを与え、日本人の行動パターンを変えていきたいと思ったんです」

 代表取締役会長ラッセル・カマー氏は、メリルリンチ証券とゴールドマン・サックス証券を経て、Paidyを創業。シルビア氏は、カマー会長との会話で「一緒に会社を大きくしたい」と感じたそうだ。

Netflix、2つの企業文化があった

ペイディ

Paidyのオフィスのデザインコンセプトは「耕し育み結ぶ『フィールド』」。畑に関するオブジェには、業界の常識を覆していこうという意味が込められている

 Paidyは2008年にエクスチェンジコーポレーション株式会社として創業。2014年からオンライン決済サービス「ペイディ」に事業の軸足を移し、現在の社名に変更している。

当初は会長がバリバリで、彼自身で何でもやる会社でした」と語るシルビア氏が、最初に手を付けたのが「OKR(Objectives and Key Results)」という目標管理制度だった。

「まず感じたのは、この会社にはすごいキャリアを持った、優秀な人材がたくさんいること。サービスに対する思いと、より良いものを作りたいという熱意があり、会社は急成長している。しかし一方で、私が、かつてアメリカで似たようなベンチャーで、企業文化の大切さを学んだことを思い出しました」

 シルビア氏が在籍したのは、6か月で従業員が150人から600人と急成長を遂げていたベンチャー企業。しかし、人が増えたことで、「創業当初の熱意がなくなってしまった」と明かす。

「その時まで会社のマントラや企業文化というのはすべて綺麗事だと思っていました。しかし、働き手の情熱を支えるのは企業文化であり、それはマネージャーだけはなく、1人ひとりが感じ取れるようにしなくてはいけない。私はNetflix Japanに2017~2019年で在籍しました。かなり自由な会社でしたが、2つだけ鉄則があります。『とにかく結果を出せ』『失敗してもいいが、早く学べ』です。そのカルチャーがあるからこそ、Netflixは社員のモチベーションやオーナーシップが強いまま、成長できるのだと思います」

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