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自分が成功すれば、選択肢も広がる

那須大亮さん

 特異なセカンドキャリアを歩む那須さんが「スポーツ選手のセカンドキャリア」に感じる課題は、選択肢の少なさだ

「もちろん、一生その競技にかかわるのもアリ。しかし、選手はどんどん引退していき、直接サッカーに関連する仕事の枠は減っていきます。

 この状況でも『サッカー選手のセカンドキャリアはこうじゃなきゃ!』と固定観念にとらわれてしまうと、環境の変化に適応できません。だから、セカンドキャリアを歩むにあたっては柔軟な視点を持ってほしいですね。

 異質なキャリアを歩む人たちがその分野で成功すれば、新たなセカンドキャリアの選択肢が生まれるじゃないですか。選択肢の少なさは大きな課題だと思っているので、引退後の選手たちには多様な働き方に挑戦し、後輩のための道を切り開いてほしいと思います」

選手としての経験を社会で活かすには

 自身が所属していたJリーグにも、世界のプロスポーツと比較してセカンドキャリア支援策の物足りなさを感じる部分があるという。

「たとえば、野球のメジャーリーグで一定の期間活躍した選手には、引退後に年金が支給されます。もちろん、Jリーグの規模や収益を考えれば実現が難しいのは分かるのですが、引退後の生活保障を充実させてほしいという思いはあります

 残念ながら、国際的に見ても「引退後の生活」を保障してくれるプロスポーツはまれだ。こうした厳しい状況のなか、スポーツ選手がセカンドキャリアを上手に歩むための「コツ」のようなものはあるのだろうか。

「ゼロからリスタートするんじゃなくて、選手としての経験は活かすべきです。その経験をより社会で活かすためには、競技そのものや選手、競技関係者が人気になり、競技にかかわったことで得られる“対価”が大きくなる必要があります。動画はその役に立つと思っていて、競技はもちろん、裏方さんがもっと注目されるための情報も意識的に出してますね

 スポーツ選手のセカンドキャリアはシビアな問題だが、意識するタイミングは難しい。「早くから意識することで備えを万全にするべき」という意見もあれば、「現役のうちは競技に集中するべき」という声もある。

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