“日本一”SBホークスのオンラインストア「コロナでも過去最高益」秘訣を運営に聞く
自社工場を持つ強みをフル活用
今年、多くのスポーツチームが販売したものの、予約や抽選が必要となることも多かった。需要を満たすことができなかったマスクだが、ファナティクス・ジャパン社ならではの工夫が垣間見える。
「日本一が決定した11月25日の夜には、余裕を持って用意していたはずのマスクが一時的に品切れになってしまったのですが、商品部や生産部と即座に打ち合わせをして、追加の受注体制を整えていきました。急遽、『再生産』という形を取ってその夜のうちに再販したので、納期に若干の影響は出てしまいましたが、それでも最大限の需要を掴んで動くようにしています」
国内の自社工場と数多くのパートナー工場を持つ強みを生かし、商品の安定供給に努めたのだ。
日本一決定の瞬間からグッズ発売を開始
「リーグ優勝が現実的になってきた10月頃から関連商品の企画を始めました。その時には、優勝や日本シリーズ進出は決まっていないので、販売を予定している商品の登録などはあらかじめ済ませた後、戦況によってどこまでリスクを取るかを調整しながら、企画を進めていく形を取りました」
その後、日本一決定の瞬間から記念グッズを販売。迅速な動きが好調な売り上げにもつながった。
昨今のスポーツ業界のトレンドが、高価格帯商品プランの販売だ。サッカーJ1リーグのヴィッセル神戸は1席30万円のVIP席、鹿島アントラーズはヘリコプターの観戦ツアーを25万円(時期によって価格は変動)で販売。プロ野球でも、埼玉西武ライオンズが本拠地のメットライフドームに来年春にVIP席の設置を決めるなど、各チームがラインナップの拡充を進めている。
この傾向は、ソフトバンクホークス公式オンラインストアにおいても同様のようだ。
「記録を記念したボールや、記録に際した直筆サイン入りフォトなどを数量限定で販売しています。これらのアイテムはファンの関心も高く、4万〜8万円の高価格帯にも関わらず、すぐに売れてしまいます。安全に家まで配送してくれることなどから、オンラインでの購買率が高い点が、この高価格商品の特徴です」