日本一の葬祭系YouTuberが語る「お葬式にまつわるデマ」の困った実態
Twitterは“デマつぶしツール”
チャンネル開設当初は、実際の客からの相談や質問を動画で紹介することが多かったそうだが、火葬や遺体に関する話題の動画は特に人気を集めやすいようだ。第225回「損傷の激しい遺体は包帯グルグルにするって聞いたんですが本当ですか?」の回は、なんと135万回も再生されている。
確かに都市伝説的な業界裏話はネットで数字を取りやすいイメージだ。
「葬儀業界の裏話をしゃべるタイプの人は僕以外にもまあまあいたんですが、実際にはあり得ないことも平気で言っていたんですね。僕は裏の裏をいくから、逆に普通のまともなことしか言っていないです(笑)。特にTwitterアカウントは“デマつぶしツール”として使っています。Twitterでのデマが話題になってネット記事などに発展していく流れもあるんで、初期消火がうまくいくと、わけの分からないデマに振り回されなくて済むのでラクなんですよ。
Twitterは攻撃的に見えるかもしれませんが、実はYouTubeが“矛”で、Twitterのほうが“盾”のイメージですね」
現場で握手を求められることも
対話型チャンネルとしてライブ配信も積極的に行っている佐藤氏。視聴者からの葬儀の依頼も多いそうで、会社的にも一番大きな受注チャンネルになっているとのことだが、YouTuberとしての活動を始めてから普段の仕事に対する姿勢の変化や支障はないのだろうか。
「仕事ぶりは何も変わっていなくて、現場のためにYouTubeをやっている姿勢は変わらないし、問題になったこともないです。ただ、『視聴者さんからの受注ですから』って社員に連れられて納棺の現場に行くと、いきなり握手を求められることがあって。『握手の前にお父さんの納棺ですよ!』みたいなやりとりが発生したり、少しやりづらい時もありますけど。
現場では普通に大人しくお葬式やっているので、安心してください(笑)」
<取材・文/伊藤綾>