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原因不明の病気を克服。人気YouTuberが28歳で独立するまで

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 フリーランスの美容師で、約1年でチャンネル登録者数10万人を超えた新進気鋭のYouTuber、宮永えいとさん(30)。同氏が運営するチャンネルでは、男性向けにファッションやメンズコスメ、オーラルケア、コミュニケーション方法など情報発信している。

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フリーランス美容師の宮永えいとさん

 端正な顔立ちで、おしゃれで華やかなビジネス領域で活躍する宮永さんだが、幼少期の約8年間は、原因不明の精神疾患に悩まされ「人に見られるのが嫌だった」という。なぜ、人に見られるのが嫌だった彼が「美容」や「見た目」の情報を発信するまでになったのか。その人気の理由と彼のこれからを聞いた。

トゥレット症候群に悩まされた幼少期

 5秒に1回くらいのペースで「フゥッ」という奇声を上げ、瞬きなど顔を動かさなくては気が済まない。さらに無意識のうちに下ネタなどの汚い言葉を吐いてしまう。宮永さんは小学2年生から中学3年生の多感な時期に「トゥレット症候群」という神経疾患を抱えていた

「当時は周囲も自分も疾患ではなく、“クセ”だとしか認識していませんでした。だから、友達には真似されたり、バカにされたりするのが嫌でしたね。意識しても抑えることができず、友だちや先生と話しているときに突然飛び出す汚言は、僕のなかにいるおじさんが勝手に言っているのではないかと思ったこともあります」

 テストや授業中には声を出さないように舌を噛み、のどに指を押し当てて堪えようとしたが大して効果はなく、苦情を言われたことも少なくなかった。

「学校だけではなく、電車でも周囲から奇異な目で見られることが日常でした。なので、当時はとにかく『人に見られること』や『人の前に立つこと』が本当に苦手で嫌でした」

克服のきっかけはネットから生まれた交流

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 現在も瞬きが多いなどの症状は若干残っているものの、ほぼ克服できているという。

 そのきっかけは、インターネットの掲示板に投稿していた「ファッション」と、そこで生まれた「交流」だった。それが今の宮永さんのビジネスの根底につながっている。

中学生時代は、人に見られるのが嫌だったので放課後や休日は完全にネットの住民になっていました。その掲示板のひとつにコーディネートやヘアスタイルの画像を評価してもらえる『ピーコスレ』(ファッション板)というスレッドがあり、私も匿名で自分のコーディネートやヘアスタイルを投稿していました。ファッションを褒められるのが嬉しかったんです」

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