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ヤフーから独立、オリジナル家具屋に。「50兆円市場に挑む」29歳の素顔

ビジネス

――KAMARQは家具のサブスクリプション型販売サービスなどを手がけるベンチャー企業ですが、そこに転職するきっかけは?

峯浦:たまたまヤフー時代に僕がお世話になっていた上司がKAMARQに転職していて、その人に誘っていただきました。ただ、当時は創業直後で本当に忙しく、メンバーも個性的な面々ばかり。オフィスにはピリピリしたムードが漂っていたうえ、僕を誘ってくれた上司まですぐ辞めてしまうという(笑)。

――まさかの梯子外しですね。

峯浦:そんなとき、代表の和田が「費用を出してやるから1年間、英語勉強してこい」と語学留学を勧めてくれたんです。僕もちょうど、ベンチャー企業特有のテンションや忙しさに、心が折れかけていたので、それに飛びついて、まんまとインドネシア留学に出掛けました。

知識ゼロから1年かけてインドネシア語をマスター

峯浦望

ヤフー時代はプロジェクトが国際大会で受賞したり、全社MVPを受賞した峯浦さん。「ちょっとだけ天狗になっていましたが、転職で見事にへし折られました(笑)」

――インドネシアでは何語を勉強したのですか?

峯浦:英語とインドネシア語ですね。留学生だらけの教室で、中国や韓国、台湾などさまざまな国や年齢の人たちと一緒に勉強しました。僕の周りはアジア人が多かったですが、他の教室にはカナダやアメリカなど欧米から来た人もいました。

――インドネシア語は事前に知識はあったのですか?

峯浦:いや、それがまったく(笑)。同じ教室のインドネシア語ができる生徒に、英語で「あれ、なんて言ってるの?」と教えてもらったり、土日を使って予習をしたりと、本当に目の回るような忙しさの日々でした。

 しかもその間も、KAMARQの仕事は続けていて、夕方に授業が終わったら、ジャカルタにある海外支社に車で移動。製造現場である工場のチェックや、商品の出荷の手配などもして、留学期間の1年があっという間に過ぎていきましたね。

――それは、めちゃめちゃ大変でしたね。

峯浦:1年で1か国の言語をマスターするのは、なかなかハードでした(笑)。ただ、一人でいろいろ経験できたのは大きくて、この時期が今の仕事に繋がっていると思います。

衝撃的だった「カンボジアでプリン」

Yourniture.

「Yourniture.」では現在、シンプルなオーダメイドボックスを販売中

――ユアニチャーを創業して間もなく、スタートアップ企業の登竜門「B Dash Camp」にエントリーしていますね。

峯浦:「B Dash Camp」はピッチアリーナと呼ばれる、スタートアップ企業の3~5分のプレゼン大会なのですが、同い年くらいの起業家がいて、今でも交流あります。残念ながら優勝できませんでしたが、決勝まで進出し、ベスト16に選ばれました。

 聴衆が100人近くいる会場で、彼らが飽きないようスライドに緩急をつけたり、もっとも伝えたいメッセージをラストに持ってきたりと魅せ方の工夫をしました。スピーチも何人も知り合いに聞かせて、自分では気づかない点をダメ出ししてもらいました。

――今後、ビジネスをどう成長させていきたいですか?

峯浦:そもそも僕は起業したいとは強く思っていなくて。ただ、新卒で入ったヤフーの同期で仲良かった一人が1年で退社して、カボジアでプリン屋さんを開いたんです。カンボジアでプリンですよ? 何それって感じでした(笑)。

――たしかに、なかなか衝撃的なキャリアチェンジですね。

峯浦:僕が就活した2012年はちょうど「グローバル」がキーワードで、ヤフーもなぜかそういった人材を多く採用していたみたいです。そのせいか、ビジネス部門で採用された僕の同期80人には、例年に比べて独立したり、転職したりと外向きな人材が多いように感じますね。

 なかでもカンボジアに行った彼の生き方は衝撃的で、「そういう人生もあるのか!」と思ったんです。だから僕も国内だけでなく海外進出したいですね。幸いなことに、いろんな人の手伝いもあって、具体的なプランも見えてきました。

峯浦望

「カンボジアに行った同期は、その後、ホテル業を営んで、今は帰国してメディアの会社を経営しています」

特集・ミレニアル世代の起業家たち

<取材・文・撮影/井野祐真>

株式会社扶桑社第二編集局SPA!Web編集部「bizSPA!フレッシュ」編集長、詠(ながみ)です。映画と音楽が好きです。

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