今年、海でのトラブルが多発するかも…『海猿』出演のプロライフセーバーに聞く
今年はターニングポイントになる
多くの海水浴場が開設されない今年。海辺の文化づくりをしていくターニングポイントになると飯沼さんは予想する。
「毎年5月から9月にかけて、多くの水辺の事故が起こります。救助に行った人の約4割が失敗していて、約6割もギリギリで助かったというデータもあるので、まずは危険を知った上で楽しむというのが大切です。
日本には、1000を超える海水浴場がありますが、まだ全体の20〜25%くらいしかライフセーバーがいません。海外では、『ライフガード』は公務員、『ライフセーバー』はボランティアとして週末だけ担当する方と、役割がきちんと分かれていますが、日本では、海上保安庁の水難救助隊や消防でもできないようなことも求められているにも関わらず、立ち位置も曖昧。
僕らライフセーバーの役割は、完璧には難しいのですが「事故を未然に防ぐこと」。今年は『海水浴場不開設』が相次ぎ、これまでは助けられていた命が助けられなくなるかもしれない状況に。そのなかで、水辺のリスクをどのように考え、ルールをわかりやすく統一化(Global Beach化)していくのか。改めて考えていく必要があると思っています」
<取材・文/白鳥純一 写真提供/コネクト株式会社>