エアコンの設定温度は何度がベスト?快適な空間を作るコツを、メーカーに聞く
湿度を調節すれば電気代の節約にも
また部屋の湿度と温度のバランスだが、基本は湿度の目安を50~60%にするといいという。
「エアコンの除湿機能や除湿器を使って調整します。例えば室温28度で湿度が71%を超える場合、暑く感じるだけでなく、熱中症の厳重警戒レベルでもあります。そんなときは除湿して湿度を50~60%まで下げましょう。そうすればエアコンの設定温度を変えず、体感温度を調整でき、電気代の節約にもなります」
ちなみに外出先から帰宅して、夏の熱気をたっぷり閉じ込めた部屋に入ると、ついエアコンをつけたくなる。そんなときは、まず窓を開けて5分ほど換気するといい。
「数時間放置された部屋のこもった空気を外に出すことで、室内の空気を比較的素早く冷やすことができ、節電につながります。もちろん熱中症のリスクがあるようなら、すぐエアコンをつけたほうがいい場合もありますが」
設定温度は「真夏であっても27度前後」
エアコンの温度センサーは室内機の中に搭載されている。そのため、天井側の空気が暖かいと、エアコンは必要以上に室内を冷やそうとしてしまうという。
「そういった場合は、エアコンの気流を水平方向に吹いたり、扇風機などで室内の空気を撹拌(かくはん)したりして、天井側と床側の『温度ムラ』を抑えましょう。体が冷えすぎると、自律神経が失調症してしまい、体調不良になる『クーラー病(冷房病)』の原因になってします。
目安としてエアコンの設定温度は『真夏であっても27度前後』が医師会などから推奨されていることも覚えておくといいでしょう。少し高めに感じる人もいるかもしれませんが、湿度を管理すればベストな体感温度まで下げられるケースは少なくありません」
テレワークするのであれば、ほぼ一日中エアコンを付けている人も珍しくはないだろう。今年の夏は「除湿」に着目し、自分のベストな体感温度で作業効率アップを図ってはどうだろうか。
<取材・文・撮影/藤冨啓之>