「僕が7900万円をクラファンで調達できたワケ」無名のミュージシャン社長に聞く
目標5000万円を達成できた理由
――運営会社は嫌がる5000万円という目標金額をどうして実行できたんですか?
ゆーいち:ゴリ押しですね(笑)。単なる広告宣伝のためのクラウドファンディングではなく、大衆から資金を調達するという原点に帰ったクラウドファンディングをやることにこだわり続けた結果、その考えに理解を示してくれた運営会社がKibidango(きびだんご)さんでした。
とはいえ運営会社にとっては、大型プロジェクトが失敗すると大きな損失があります。単にイメージダウンになるだけでなく、クレジット等の決済会社からの信用を落としてしまうリスクがあるのです。
なので、事前にアンケート調査や広告の効果測定を実施し、5000万円が無理な数字ではないというデータを集めました。また、PR活動を実施していくつかのメディアに記事を取り上げていただけるよう準備をした上でスタートしました。
クラファン開始後にSNS広告を出したが…
――クラウドファンディングが始まってからは順調でしたか?
ゆーいち:クラウドファンディング実施中は、大々的なプロモーションを実施したとか何かでバズったわけではありません。事前に行なった市場調査に基づいてSNS広告を出しましたが、広告の反応は想定の10分の1程度でした。やはり、製品のお届けまで1年を要すること、目標金額が高すぎること、そして現物に触れないことがネックになったようです。
最終的には、小さなプロモーションの積み重ねが実を結ぶことになりました。友人や知人の紹介でネットニュースや動画メディア、私の出身地である広島県と今住んでいる静岡県のラジオやテレビで紹介していただいたり、ライブ配信イベントに出演したり、数名単位の体験会を開いたりしました。
そういった1つひとつのアクションを起こすたびに、より多くの方々にインスタコードを知っていただくことができて、最初は10人、20人だった支援が、最終的に2300人以上の方々からの支援に繋がりました。