コロナで増える非正規の雇い止め。もらえる給付と対策は?
コナミ子会社の団体交渉で勝利
――総合サポートユニオンは5月の団体交渉で補償を勝ち取った事例がありますね。
青木:コナミスポーツでの休業補償問題がありました。アルバイトのインストラクターらが3月から感染対策として会社から休業を指示され、しかも4月8日の非常事態宣言以降、首都圏の施設を中心に休館になったため、完全に休業。でも休業補償が一切なかった。
そのため5月11日にアルバイトのインストラクター数名が総合サポートユニオンに加盟して休業補償の支払いを求めて会社に団体交渉を申し込むと、コナミスポーツがアルバイトに10割支払うと応じて、休業補償を勝ち取りました。
――でも一方で、精神的にショックを受けると、団体交渉で「闘って勝ち取る」という意欲がなくなってしまったりします。
青木:その場合は給付金を有効に使う方法があります。
まず、雇用保険に加入していると、失業手当をもらえます。
もし雇用保険に入っていなければ「求職者支援制度」をお勧めします。
ハローワークを通じた職業訓練による早期就職を実現するための制度で、雇用保険未加入でも本人収入が月8万円以下、世帯収入が25万円以下などの一定要件を満たせば、訓練期間中、月額10万円の「職業訓練受講給付金」が支給されます。
コロナでもらえる給付金と助成金
――雇用保険に加入していない非正規雇用者も少なくないので、とても役に立つ制度ですね。ではコロナ感染拡大による給付金や助成金はいかがでしょう。
青木:住宅費の一部を国が給付する「住居確保給付金」は、これまでは離職・廃業から2年以内だったのが、コロナ対策として4月20日より対象者の要件が「休業等により収入が減少し離職等と同程度の状況にある人」にまで拡充されました。
資産や貯えが少ない人に、一定額を上限に家賃相当額が自治体から3か月間支給されます。さらに求職活動などを誠実に行っている場合は3か月延長の可能性があります。
それからフリーランスの方には「持続化給付金」。コロナ感染症の影響により、 1か月の売上が前年同月に比べて半分以下に減少している事業者に最大100万円が給付されます。
また緊急かつ、一時的に生計の維持が困難となった場合に少額の費用の貸付を行う「緊急小口資金」があります。貸付の上限はフリーランスで最大20万円。無利子で保証人なし。返金は2年間月額のローンで、1か月の返金が8000円ちょっとなので返済も無理がないです。