会社員を3年で挫折した「元イジメられっ子社長」が起業以来、増収増益できた訳
「利皆主義」を持って仕事をする
映像とデジタルのクリエイティブに特化したEPOCH社は、2013年の創業以来、増収増益を維持できている。この理由について「クリエイティブ業界がやらない営業に力を入れていることと、自社だけ儲けようとせずにいること」からと話す。
「1社目の営業経験を生かして、業界ではあまりやらない営業(飛び込み含む)をすることで案件を受注し、マネジメントしているクリエイターに仕事をお願いする流れを作っています。1日3件を平均に、最大1週間で15件ほど。
営業は恋愛のように相手に手間と時間をかけさせずに、求めている物をスピーディに察し、見返りを求めずに真摯にクライアントに提供するアプローチがいいと思っています。また、自社だけで利益を独り占めしようとする考えもありません。
近江商人の言葉に“三方良し”という素晴らしい言葉がありますが、これだと、対象者が不明確で現在では不十分。今は自分が考えた“利皆主義”という言葉を代わりに使っています。クリエイターはもちろん、クライアントやその他ステークホルダーも利益を得られることを指しています」
コロナで仕事が減ったクリエイターを支援
さらに、クリエイティブ業界自体を盛り上げるイベントも開催し、市場の活性化をする試みも行ってきたという。
「業界全体が盛り上がらないと、そもそも仕事がウチのような中小企業には回ってこないので、利害関係なしにクリエイティブ業界に携わる人が集えるイベントを開催してきました。コロナの影響で仕事が減ったクリエイターをオンラインで紹介するイベントも開催しています」
2019年からはクリエイティブ事業の傍ら、AIスケジュール調整サービス「スケコン」の開発を行っている石澤氏。最後に今後の展望について伺った。
「自分の人生は諦めと自身への失望の連続でした。大好きなファッションやクリエイティブという業界にフラれ続けて、どちらも輪の中心にいることを泣きながら諦めました」