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井上尚弥選手の食事メニューは?コロナ時代の健康管理を専門家に聞く

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運動後30分以内がゴールデンタイム

「まずは毎食の食事の中でしっかりたんぱく質を摂取すること。そしてトレーニングを行った後はできるだけ速やかにリカバリーするためにたんぱく質を摂りたいですね。運動後であれば消化や吸収のスピードが速いプロテインの摂取がおすすめです。

 運動後30分以内がゴールデンタイムと言われるベストな摂取タイミングになりますが、他にも、就寝前やたんぱく質が不足しがちな朝食などに取り入れることもおススメです。プロテインは、1、2回飲んだだけでは大きな変化はなく、トレーニングの継続と併せて一定期間飲み続けることで理想とするカラダづくりが実現しやすくなります」

 目的に見合ったトレーニングとプロテインを上手に組み合わせれば、理想のカラダづくりの一助となるだろう。一方で、プロテインを摂取する上で気をつけたい点については、「運動しない人が、食事量や内容を変えずにプロテインをプラスオンすれば体重・体脂肪が増えてしまう可能性がある」と指摘する。

「ハードワークとはいかなくとも、“無理なく継続できる家トレ”を上手く取り入れ、自分の目的に見合ったプロテインを選んで実践してみてほしいです。プロテインの種類の代表的なものとしては、主に牛乳由来の『ホエイプロテイン』『ミルクプロテイン』と、大豆由来の『ソイプロテイン』があります。ホエイプロテインやミルクプロテインは、運動によって筋肉やカラダを大きくしたいという人に向いていて、ソイプロテインは運動でカラダを引き締めたい人に向いています」

自分のカラダと向き合うことが大切

肥満

photo by jarmoluk

 村野氏は「こんなときだからこそ自分のカラダと向き合う」ことを前提に、リモートワーク時代の健康管理の留意点を説明した。

「手洗い・うがいの徹底、生活リズムを崩さないなど、まずは健康的なライフスタイルを維持することがとても大切だと思います。運動不足に加え、夜更かしや睡眠不足など生活リズムが崩れると、体内時計が乱れ、健康状態や体力にも影響します。

 また、健康管理における習慣としては毎朝、起床時(排尿後)の体重や体脂肪測定がおすすめ。人によって体組成も基礎代謝量も生活習慣も違うので、個々の食事の適正量を見極めるのは難しいですが、食事量の調整など体重・体脂肪変動をコントロールしやすくなります。アスリートの多くは体重管理だけでなく、脱水や熱中症対策としても毎朝の体重測定を徹底しています。

 食事に関しては1日1、2食では摂取できる栄養素に偏りがでてしまうので、おすすめできる食生活ではありません。朝食を抜いて昼食は軽め、夕食にボリューム重視といった食べ方は、栄養バランスが偏り、脂肪をため込みやすくなる原因となります」

 また、テレビやメディアなどでよく、「この食品が健康にいい」などと、ひとつの食品を掘り下げて栄養に関する情報が独り歩きすることがあるが、これにも警鐘を鳴らす。

「『これだけを食べていれば健康でいられる』という食品はどこにもありません。1日3食の中で、カラダを動かすためのエネルギー源となる炭水化物、脂質、カラダづくりの材料であるたんぱく質、そして体調維持に必要なビタミン、ミネラル。これら5つの栄養素をバランスよく継続して摂取することが、健康的なカラダづくりにおいて最も大事なことです」

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