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トイレットペーパーを買うのは恥ずかしい?マツキヨ「PB商品」ヒットの秘訣

ビジネス

 スーパーやコンビニ、ドラッグストア、ディスカウントショップなど、小売業界は競争が厳しいマーケットになっている。企業にとっては、いかに差別化した商品を展開し、付加価値を消費者に提供できるかがコモディティ化(成熟化)した市場で求められることだ。

マツモトキヨシ

マツモトキヨシのPB商品の一覧

 そんな中、企業のブランドイメージ向上に一役買い、価値のある商品を消費者に届けることができるPB(プライベート・ブランド)は、小売業界にとって成長のキードライバーとなる。今回は、マツモトキヨシが販売するPB「matsukiyo」の好調な理由について、株式会社マツモトキヨシの営業統括本部 商品企画室商品開発課の櫻井壱典課長に話を伺った。

プライベート商品に注力する理由

マツモトキヨシ

株式会社マツモトキヨシのの櫻井課長

 マツモトキヨシは1700アイテム以上のPBを販売し、主力商品として打ち出している。なぜ、PBに注力するのか。櫻井氏は「社会情勢の変化や消費者のニーズに合わせた商品開発が求められている」と話す。

「小売業界全体が同質化するなか、マツモトキヨシらしさの指標である『革新性』や『卓越性』を原点回帰し見直すこと、そして、お客様が最も見ている『商品』で変化を見せることにしました。さらに、その商品は、他社には絶対ないPB商品にすることが一番早くわかりやすいという考えからPBのリブランディングに着手しました。

 また、商品企画で工夫していることのひとつに、2017年から『PBアイデア創出コミッティ』という全社でアイデアを出し合う会議を設けています。全社から商品企画に関わりたい従業員を公募し、客観的なデータだけに加え、『生の情報』も企画に生かせるようにしています」

マツキヨらしさを商品開発に取り入れる

「matsukiyo」は医薬品、サプリメント、化粧品、日用品、食品など多種多様なラインナップが揃っている。また、ライフスタイルが多様化する中、面白さや楽しさといった“マツキヨらしさ”を商品開発に取り入れ、高品質ながらお買い得感のある商品を展開することで、注目度を高めているという。

マツモトキヨシ

「matsukiyo」の斜角度19度のロゴは、社内で “マツキヨスラッシュ”と呼ばれているという。お客様のために右肩上がりに、そして斜め前に力強く進んでいくという意思が込められている

「パッケーシデザインも、ひと目でmatsukiyoの商品とわかるようなデザインで統一しています。そうすることで差別化を図ることができ、より消費者のニーズに合わせたブランドとしての地位を獲得できると考えています」

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