新型コロナで「一斉休業」の磯丸水産。経営に“落とし穴”はあるか?
磯丸水産、1店舗あたりの売上は?
続いて、磯丸水産の店舗数推移と1店舗あたり売上推移も確認していきしょう。飲食店の場合、店舗の増減も売上形成上の重要な要素となっているためです。
先程、磯丸水産の沿革にて「2017年に150店舗まで拡大」と記載しましたが、それ以降については、150店舗を天井として、店舗数は123店舗まで減少しました(2020年度第3四半期の実績値)。
この期間の店舗減少の理由として、SFPホールディングスは決算説明会資料で「『鳥良』や新業態(餃子居酒屋『いち五郎』)への業態転換」と説明しています。
また、「磯丸水産」業態自体のテコ入れもきちんと実行しており、既存店舗の改装が功を奏して、1店舗当たり売上(売上額/店舗数)も下げ止まりました。一時期ほどの勢いはないものの、足元の改善は着実に進行しているため、今後の再拡大に期待が持てる推移であると言えます。
新型コロナの影響はこれから判明
SFPホールディングス全体としても、第2四半期段階でも業績予想を上方修正しており、第3四半期時点でもこの予想を変更していません。
ただし、SPFホールディングス社のIRページを見る限り、2~3月の売上推移・客数のデータは存在しません(同業他社の場合、先月末締めの速報値を公開しているケースがあり、そこから推定ができます)。
そのため、現時点では新型コロナウイルス肺炎の影響が業績にどの程度表れているかを客観的に知るすべがありません。したがって、4月中旬ごろに予定されているFY20の通期決算短信の動向を待つ以外には判断する方法がない状況です。