「宅ふぁいる便」の提供が終了。結局、個人情報流出はどう防ぐべきか?
オンラインストレージの「宅ふぁいる便」が、3月31日いっぱいでサービスを終了した。無料で大容量のファイルを受け渡すことができる有力なWebサービスであり、お世話になったことがあるというネットユーザーも少なくないはずだ。
しかし2019年1月、脆弱性への攻撃を受けてユーザーの個人情報が流出する事件が発生。以来「宅ふぁいる便」はサービスを停止していたため、「サービス終了」というよりも「再開を断念」と表現したほうが適切だろう。
なお、業務用に特化した有料の「オフィス宅ふぁいる便」については、安全性が確認されたとしてサービスが継続されている。現在のところ、こちらが終了する予定はない。
「オンラインストレージ」って何?
500MBや1GB、はたまた50GBなど、電子メールに添付できないような大きなファイルを受け渡すときにどうするか。
2000年代までの都会のオフィスでは、バイク便がよく活躍した。ファイルをMOやDVD、ハードディスクなどの記録媒体に書き込んで、その実物を先方に届けるのである。バイク便に頼むほど急でない場合には、新入社員がディスクを持って“おつかい”に出ることも多かった(筆者にも経験がある)。
2020年を迎えた現在、こういう光景はあまり見られない。今日では「テレワーク」が流行りだが、デジタルデータの受け渡しはネットで完結させるのが常識となりつつある。
そのために利用されているのが、「宅ふぁいる便」などのオンラインストレージだ。オンラインストレージを利用すれば、URLをメールに貼り付けるだけで、大容量のファイルをスムーズに送受信することができる。
自社サーバーを備えない中小の事業所では、経費節減をねらって無料のサービスが常用されている。逆に、有名企業からの資料が「宅ふぁいる便」で送られて来ることもあるが、自社サーバーの利用手続きが煩雑化していると、現場の社員は無料サービスを選んでしまいがちだ。
とにもかくにも、オンラインストレージは今日のビジネスに欠かせない存在となっている。