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「宅ふぁいる便」の提供が終了。結局、個人情報流出はどう防ぐべきか?

ガジェット

「クラウド」を使うべきでない業務

 機密を扱うすべての業種で注意が必要だということはすでに述べたが、では、アダルトメディアだとどうなるのだろうか。

 たとえば、いわゆる「青年誌」(俗に言う「エロ本」)を作る作業を例に取ってみよう。適切な修正が施された「エロ本」は合法な出版物と見なされているが、その製作過程では、カメラマンや編集者、デザイナーといった職種の人間が、修正前のデータをやり取りしている。

 これをクラウドサーバーを使ってやり取りするとなると、いくつか“問題”が生じてしまう。サービスの規約によって、性的なデータの共有自体を禁じられている場合が多いのだ。

 また法的にも微妙なラインで、「オンラインストレージへのわいせつ画像のアップロード」行為自体が裁判で争われた例もある。

「わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪」は成立しない

裁判 判決

 結論どうなるのか? 前出の後藤弁護士に聞いてみた。

「裁判例では、わいせつ画像をオンラインストレージにアップロードしたのみでは、不特定多数の者が当該わいせつ画像を認識できる状態にあったとはいえず、『わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪』は成立しないとされています。

 したがって、オンラインストレージのURLを他人に知られない状態で管理していたのであれば、『わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪』は成立しないといえます」

 クラウドサーバーの利用自体が直ちに違法、というわけではなさそうだ。

 とはいえ、時流に合わせた“自主規制”を繰り返してきたアダルト業界では、「当局との摩擦を避ける」のが常識となっており、オンラインストレージの存在は特に“鬼門”となりそうだ。業種によっては、昔ながらのバイク便に頼る時代がまだまだ続くのかもしれない。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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