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最終日の挨拶すら無視される…。出向先での嫌がらせ「アウェイ感がハンパない」体験談

学び

最終日の挨拶すら無視される

出向先のいじめ

「一番辛かったのは部署の忘年会。半ば強制だったので嫌々参加しましたが、案の定話しかけてくる人は誰もいませんでした。出向から3か月以上経っていたので、こちらも開き直ってスマホをいじって時間を潰していましたけど」

 本来の業務である情報管理システムの再構築は自分1人での作業で、課長から押し付けられた仕事も慣れてくれば基本的に1人で行えるものばかり。同僚とコミュニケーションを取ることもなく高桑さんは仕事に打ち込んだといいます。

「途中からは私も話しかけるなオーラ全開にしてましたから。おかげでほかの現場以上に業務に集中することができ、余計な仕事を与えられた割には作業が遅れることもなく、半年の期限内にすべての業務を終えることができました」

 こんな職場なので最終日に儀礼的に簡単な挨拶をした程度で送別会なども特になし。その日の仕事が終わり、大人の対応で「おつかれさまでした。今までお世話になりました」と改めて挨拶しましたが、課長はそれを無視。それどころか周りの部下に「これで嫌な奴もいなくなってせいせいするな」と嫌味たっぷり言われたとか。

職場いじめに遭ったことを報告すると…

「今までは聞き流していましたが、この日が最後の勤務だから我慢することはないと思い、『こっちもクソみたいな連中とおさらばできてせいせいするよ』と言い返しました。みんな驚いた顔をして僕のほうを見るんですけど、あれは本当に気持ちが良かったです(笑)」

 出向元の会社に戻った高桑さんは、職場いじめに遭っていたことを報告。後日、出向先の社長がお詫びに訪れ、「総務部の人間に謝罪させる」と言われますが、この申し出を断ります。

「もう顔も見たくなかったので。会社からは何かしらの処分が下ったみたいですけど、さすがにクビにはならなかったみたいです。まあ、興味がなかったのでどうでもよかったですけどね(笑)」

 期間が決まっていた出向だから耐えられたのかもしれませんが、半年もこの環境で仕事をするのは大変です。出向を受け入れる側も孤立することがないように、働きやすい環境を整えてほしいものです。

特集・令和の「ブラック企業」事件簿

<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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