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新型コロナで結婚式が中止に…キャンセル料はどうなる?プロが解説

コラム

柔軟に対応してくれるケースも多い

 ポイントはいずれにせよ、「自己都合扱い」として処理されることにあります。自己都合扱いの場合、問題となるのがキャンセル料。ブライダル業界で用いられる契約の取り決め要項である「BIAモデル約款」から、キャンセル料の規約を一部抜粋します。

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・364日目以降180日目まで、申込金の50%まで及び印刷物等の実費
・89日目以降60日目まで、お見積額(サービス料を除く)の30%まで及び印刷物等の実費
・9日目以降前日まで お見積額(サービス料を除く)の45%まで及び納品済み物品等の実費並びにその他外注品等の解約料の額

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 見てわかるとおり、日程が近い時期であるほど、キャンセル料は高くなっていきます。以下、延期についての規約も抜粋しました。

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ご日程の延期につきましては、解約の場合に準じたお取り扱いとさせていただきます。ただし、ご日程の確定している延期の場合には、別に定める細則により取り決めさせていただきます。
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 この規約の「ご日程の確定している延期の場合には、別に定める細則により取り決めさせていただきます」とはまさに今回のような状況を考えられて設けられている取り決めとのこと。加えて、式場側も「状況が状況なため……」と柔軟に対応してくれるケースも多いそうです。

人件費は交渉次第で割引かれる場合も

結婚式場

「実際、ブライダル業界最大手の株式会社テイクアンドギヴ・ニーズも、9月末までに結婚式を行う場合の追加費用免除を発表しています。以上のようなことからテレビでキャンセルと報じられていても、実際のところ多くは延期なのではないでしょうか」

 では、上記のような前提を踏まえた上で、実際どのように判断すれば良いのでしょうか。ここまで述べてきた通り、新郎新婦側が実施しないと決めた際は「延期」を選ぶと良いでしょう。

 安藤さんによると、延期の際でも必ず全額かかるのが食材費などの実費。しかし、ドレスなどレンタル料、ヘアメイクなどの人件費は交渉次第で割引かれる場合も多いそうです。もし交渉してみても対応が芳しくなかった場合は、他社の事例などを挙げることで、改善することもあるようです。

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