漫画家200人と会って感じた問題点。編集者未経験の33歳が起業するまで
漫画家200人以上と会って感じた問題点
――起業準備はどのようなことをしたのですか?
前田:自分は、コネも伝手もお金も情報もなかったので、とにかく漫画家さんに会う必要があると思い、Facebookに「ゆるぼ」(ゆるく募集します、という意)と投稿しました。結果、友人から2名の漫画家さんを紹介してもらいました。そこから1年で200人以上の漫画家とお話したのですが、そこで発見したのが3つの問題です。
まずは単純にデビューしたとしてもみなさん生活の安定に困っているというお金の問題。そして、昔からの漫画家同士の知り合いはいるが、それ以外の横のつながりができないというツテの問題。最後に、社会人経験がないため良質な情報を見極めるリテラシーを養えないという情報の問題でした。ひとまずこの「3つのない」を解決するために動き出しました。
――今、漫画家さんを5人を抱えていますが、「まんがたり」ではどのようなサービスを展開しているのですか。
前田:今はお会いした200人以上のマンガ家の中から「まんがたり」のビジネスに共感してもらい、マンガ家としても実力がある上で、ベンチャーマインドを持った5人の方とお仕事をしています。まずは少数精鋭でチャレンジして成功モデルを作り、それを横展開するためです。
企業向けのPRや広告が事業の軸
前田:「まんがたり」の事業は、企業向けのPRや広告といった「メディアマンガ事業」を主軸のひとつにしています。50以上のビジネスを立ち上げましたが、これが一番可能性があると感じたからです。イメージとしては進研ゼミの漫画に近いと思います。
最初は企業とマンガ家のマッチングができれば良いと思いましたが、すでにそれをしているマンガ家さん、企業さんに聞くと「コミュニケーションのすれ違い」でトラブルが多々起きていました。
なので、企業と漫画家さんの間に入ってビジネスコミュニケーションを取ったり、漫画家さん200人以上と会ってわかった「マンガ家はどうやったら仕事がしやすいのか」、逆にマンガ家向けに「企業の人はどんなことを求めているのか」を伝える役割をエージェントとしてやっています。
また、これまでBtoCの広告漫画は多々ありましたが、「まんがたり」はBtoBやスタートアップ、ベンチャー企業のサービスや会社のことをマンガにすることが日本一得意だと話しています。