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郊外からの電車通勤者の悩み。乗り換え40分待ち、苦手な先輩と鉢合わせ…

学び

同僚と会わないようにコソコソ行動

電車を待つ女性

 また、早朝だと電車の本数が少ないために、シフトが合えば他の社員も必然的に同じ電車に乗ることになります。

「苦手な先輩社員が、私の最寄りの隣駅に住んでいました。絶対に会いたくないので電車に乗るときは常に1番後ろの車両、乗り換えるときも人が比較的多いコンコースではなく、ほとんど人が通らないホーム同士の連絡通路でひっそりと待っていました」

 それもそのはず、その先輩社員ちょっとクセのある人として知られており、原田さん以外にも苦手に感じている人が多かったそうです。

 件の先輩にばったり会ってしまったら、電車を待つ時間から電車に乗っている時間、到着駅を降りて職場まで徒歩で向かう時間と、合計1時間以上にわたり、一緒に通勤しなければならないという苦行を味わうハメになります。

「苦手な先輩と1時間も話すことなんてありません……。会ってしまったら最後だと思って、出勤のときは帽子を目深にかぶったり、マスクをしたりして、気づかれないように細心の注意を払っていました」

 それほど広くない駅の中、別の電車で来た同僚3、4人と先輩社員が偶然落ち合い、談笑しているときがあったそうです。中には、原田さんとも仲の良い先輩もいましたが、職場以外で同僚と多くのかかわりを持ちたくなかった原田さんは、そうした輪に加わらず、ひっそりと1人で電車を待ち続けたと言います。

帰りも次の電車まで20~30分待ち

 6時半出勤の日は当然ながら早く仕事が終わります。客がそれほど多くないときは午後1時2時に帰ることもあったそうです。

「早く帰れるのはうれしいけど、最寄駅に来る電車が30分に1本しかないために、乗り遅れたら次が来るまで30分待たなければいけませんでした。通勤ラッシュの時間帯は1時間に3、4本ありましたが、平常時はそんなに多くなく……。

 退勤時間と乗車時間が合わなくて、近くの本屋やカフェで時間をつぶすことが多かったですね。早朝とは違い、お店が開いているだけマシなのかもしれませんが」

 通勤ラッシュに直撃せずともデメリットはあるのです。

 現在、原田さんは仕事を辞め、異業種の仕事に転職。現在について「事務職で、平日フルタイムで働いています。ラッシュの時間に通勤していますが、あのころがあったおかげでさほど辛いとは思いません」と安堵した様子で語ってくれました。

特集・私の“痛勤ラッシュ”レポート

<TEXT/林加奈 イラスト/デザイア恵利>

子育て中のママライターです。大学卒業後、通信関連会社、広告代理店等を経て結婚後にフリーランスのライターに転身。法律、子育て、キャリア、就活など、さまざまなジャンルの記事を執筆しています
Twitter:@emma_webwriter

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