安倍首相「桜を見る会」の呆れた実態を、若者はどう見るべきか<ダースレイダー>
東京大学中退という異色な経歴を持ちながら、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(42)。
この連載では現代日本で起きている政治や社会の問題に斬り込む。今回は安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について。
毎度のように予算を大幅に超過していることや、招待基準の不透明さを野党が指摘。追及本部によるヒアリングは20回を超え、特に対応にあたっている内閣府酒田元洋官房総務課長による、のらりくらりとした答弁に、若者からも呆れる声が続出している。
若者はどう見るべきなのか? ダースレイダーが説く。
みんな「現実のつまらなさ」に呆れてる
ダースレイダー:連日国民が見せられている映像だって、酒田さんの答弁もひどいし、嘘ばっかりだし。「(招待者名簿が)無い」と言ったら実はあって、「でもやっぱり捨てた」とか、もうなんだかわかんない。
世論調査では、桜を見る会に関する安倍首相の説明に納得しているかという問いに、8割以上が納得してない。ただ、不満はあるとは言いいつつ、内閣の支持率自体はちょっと上がったりしてるんですよね。
これは何を意味しているかというと、「政治で何をやってても、僕らの生活には関係ないよ。どうせ誰がやっても一緒だし」っていうムードになっている。みんな、現実のつまらなさに呆れてると。
「桜を見る会」をゲームとして楽しもう
ダースレイダー:特に今、テクノロジーがすごく進化してる中で、ゲームってスマホやパソコンでもできるし、VRもあったりして、現実よりもゲームしてたほうが楽しいじゃんっていう。ゲームは一時的に現実を忘れるための脇道だったのが、今は「ゲームだけやれてれば、あとはどうでもいいじゃん」ってくらい現実がしょぼくなってきちゃった。
しかも、今のゲームって「何面までクリアしたら、エンディング流れて終わり」って形を取ってないんですよね。例えば『ポケモンGO』とか『ドラクエウォーク』みたいに、永遠にレベル上げする世界。
さらに現実の世界、地図ともリンクして、実際のフィジカルな行動とゲームの行動がほぼ一緒になっていて、それが最後にネットで繋がって、一緒にゲームやってる人たちとモノを交換したりできるっていう、ある種のリアリティがある。
一方で、現実世界では友達もそんなにいないし、親とも仲良くない。こういうとき、現実にどう向き合べきかと考えると、むしろ現実もゲームとして楽しめるという考え方で、桜を見る会とかを見ていくのがいいと思ってる。