「ワークマン」ブームを的中。『日経トレンディ』ヒット予測の裏側を聞く
『日経トレンディ』(日経BP社)が毎年、年末に発表している「ヒット予測ランキング」、は一般の読者や内容に関連した業界関係各社をはじめ、もはや“年末の風物詩”といえるほど広く注目されています。
編集部独自の情報網や制作者たちの経験をたよりに、例年10月から翌年にかけて登場する商品やサービス、施設を対象にした同ランキング。しかし、未来予測というのは“当たるも八卦当たらぬも八卦”。何が流行るかを予想するには相当な苦労も想像されます。
では実際、どのようにランキングが作られているのか。月刊誌『日経トレンディ』で編集長を務める日経BP社の佐藤央明さんに、制作の裏側を尋ねてきました。
32年前の創刊号の企画がルーツに
――多くの関心が寄せられる「ヒット予測ランキング」ですが、いつから始まったのでしょうか?
佐藤央明(以下、佐藤):ルーツにあるのは、弊誌の創刊号である1987年12月号で掲載した「ヒット商品20傑」でした。そこから現在も続く毎年のヒット商品を取り上げる「ヒット商品ベスト30」になり、別軸で「ヒット予測ランキング」に派生したのが大まかな流れです。
――ヒット予測については商品やサービス、施設とかなり広範囲のジャンルを網羅していますが、実際、どのように情報をキャッチされているのでしょうか?
佐藤:例年10月ごろの進行に向けて、常に新しい情報には目を配っていますが、メーカーなど業界関係者へ別口で取材もします。
ただ、直球で「何が流行るんですか?」と聞いても答えづらいとは思うので、今の流行を投げかけてから「これから流行ると思うものは?」と問いかけるよう意識しています。
また、動向を見極める客観的な指標として、商品であれば流通業や卸売業の方へお話を伺うようにしていて、販売実績が数字として残るPOSの一次情報を持っているデータ会社にもお話を聞くようにしています。