ワークマンの5000円防寒ウェアが最強。開発者に聞く“バイク野郎”の精神
低価格な高機能ウエアが注目され、一躍脚光を浴びている株式会社ワークマン。
昨今はカジュアル・アウトドア用の新業態「ワークマンプラス」も注目を集めているが、防水防寒着のオリジナルブランド商品である「AEGIS(イージス)シリーズ」も2013年に初代モデルが発売されて以来、「マジで寒くない」と、ネット上で注目されている。
とりわけ、雨の中でのバイク走行で、体に打ち付ける雨を絶対に通さない、防水に特化したレインウエア「BIKERS」は、ライダー心を分かった工夫が細部に施され、「コスパ最強のレインウエア」として、大きな支持を集めている。
しかし、ワークマンは、もともとワークウエアが代名詞の会社のはず。いったいどんな人物がどのようにイージスを生み出し、進化させているのだろうか?
開発の秘密を探るべく今回、bizSPA!取材班が取材を行ったのは、初代イージスの生みの親であり、高校時代から原付、中免、大型と順調に乗り進め、現在はスズキのGSF1200に20年近く乗っているというワークマンの八木謙太郎氏だ。
「自分が乗っていてこうしたらいいなと思うところは、ほとんど反映していると思います」と語る、筋金入りのバイク乗りでもある八木氏は、商品部セーフティグッズマーチャンダイザーとして、イージスブランドの製品全般を担当しているという。
初代は釣り人用ウエアを参考にしていた
――イージスは初代モデルからバイク乗りを意識していた?
八木謙太郎(以下、八木):イージスの初代モデルは、釣り人用のレインウエアを参考にした防水防寒ウエアというコンセプトでした。ワーカー向けに作った製品だったので、まさかライダーの方たちのなかで話題になるとは思ってもいませんでした。発売初年度にSNSで話題になったのを受けて、本格的にライダーの方々を意識し始めたのは2年目からです。
――ライダーを意識したことで、どのような進化をしてきたのか?
八木:初代モデルは、防水フラップ(前立て)が半分か、3分の1程度しかなかったんです。そこ以外のファスナーは、むき出しだったので、雨の中、走っていると、水が入ってくるという意見がありました。なので2年目からはフラップを全面につけています。
あとはバタつかないよう裾を詰めてバイクに乗りやすくしてみたり、反射板を大きくしてみたり、少しずつ改良を加えています。開発にお金をかければ、いくらでも良くできるんですが、価格を抑えるためには、そういう訳にもいかないので……。