相鉄から一気に新宿へ。相鉄・JR直通線 に乗って大興奮した
いよいよJR東日本エリアへ
「皆様、本日は、相鉄・JR直通線、試乗会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
本日は、いよいよ、今月、11月30日に開業を迎える、相鉄・JR直通線の開業に先駆け、ようやく御乗車いただく、特別な機会になります。一般の方々で御乗車いただくのは、皆様が初となります。ぜひ、相鉄線が都心に乗り入れてゆく、車窓の風景をお楽しみください」
羽沢横浜国大停車中、女性の車内放送が流れ、試乗会らしい和やかな雰囲気に。そして、電子笛が鳴り響き、11時23分に発車。トンネルを抜け、登り勾配を走り、東海道本線(貨物線)に合流。進行方向右側には、JR貨物の横浜羽沢駅(貨物駅)が望める。
この区間の定期旅客列車は、〈湘南ライナー〉の一部列車、〈おはようライナー新宿〉〈ホームライナー小田原〉の全列車が走行しており、11月30日から相鉄・JR直通線の列車が加わる。
JR東日本エリアの最高速度は120km/h。すなわち、12000系の性能がフルに発揮される。相鉄車両の120km/h運転は初めてだが、自社線内は最高速度100km/hである。
試乗会列車は力強く走り、約6キロの長いトンネル(一部シェルター)へ。地図を見る限り、市営地下鉄ブルーラインの岸根公園駅と交差する。技術的、物理的にどちらも可能なら、利便性向上の一環として、相鉄・JR直通線の岸根公園駅建設を検討してもいいのではないだろうか。
思わぬサプライズで車内は大興奮
京浜急行電鉄本線の生麦付近でトンネルを抜けると、無数の線路と合流し、鶴見を通過。横須賀線と湘南新宿ラインの線路(戸籍上は東海道本線)は進行方向左側の線路を通過するのに対し、相鉄・JR直通線は進行方向右側、東海道本線の本線部の隣を通過する。
東海道本線の本線部と離れ、横須賀線と湘南新宿ラインの隣を走行したのち、新鶴見機関区付近で離れる。私は3号車におじゃまし、相鉄SNSアンバサダーの佐藤朋子さん、央志朗(おうしろう)君(3歳)親子にお願いして、取材をさせていただく。
「あっ、桃太郎」
央志朗君はJR貨物の新鶴見機関区内で止まっているEF210形直流電気機関車を見つけ、感激している様子。この車両は「桃太郎」の愛称でレールファンらに親しまれている。
佐藤さんによると、央志朗君は鉄道がお好きだそうで、「毎日毎日、朝から晩まで」とおっしゃるほど夢中になった模様。応募したきっかけは?
「息子が電車好きで、それにつられて私も最近好きなんですけど、“いち早く乗りたいな”と思って、応募しました」
相鉄SNSアンバサダーは4組ほど乗っており、ロングシートをぜいたくに使い、試乗会を満喫している。実際に営業運転で乗ったら、思い通りに過ごせないだけに、思い出に残る1日になるだろう。
「あっ、金太郎」
「あっ、すごーい。いっぱいいるぅー」
ほどなく央志朗君はEH500形交直流電気機関車を発見。それも複数止まっており、佐藤さんも感激。こちらも「金太郎」の愛称でレールファンらに親しまれている。
その後、新鶴見信号場で止まると、今度はM250系スーパーレールカーゴ(直流貨物電車)が電動車のみ4両留置(通常は16両編成で運転)。普段、夜行の貨物列車として運転されるので、昼間でも見る機会がなく、思わぬサプライズに車内の熱気は最高潮に達した。
すると、1・2号車で側窓を開けたメディアがいたのか、JR東日本広報が「窓開け禁止」の放送を流す。このとき、私は3号車に滞在しており、1・2号車の様子を知る由もない。